第四章
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「若旦那様起きて下さい」
「はい、何でしょうか」
「水泳のお時間です」
「水泳!?」
「ハイデルバーグ家ではそうなっています」
「朝は水泳ですか」
「身体を目覚めさせ鍛えるのです」
こうした目的があってというのだ。
「泳いで頂きます」
「この屋敷にはプールまであるんですね」
「はい」
イアンは扉越に主に答えた、ペーターはベッドから出てそこにいるのだ。絹のパジャマにナイトキャップという姿で。
「そうです、ではです」
「今からですね」
「着替えて頂き」
そしてというのだ。
「泳いで頂きます」
「わかりました、じゃあ」
「お元気ですね」
イアンはペーターにこのことを聞いてきた。
「お身体は」
「はい」
健康状態は大丈夫だった、快適に起きられたのが何よりの証拠だ。
「大丈夫です」
「では」
「はい、着替えてプールに行って」
「そこで水着に着替えて頂き」
「泳ぐんですね」
「プールに案内させて頂きます」
こうしてだ、ペーターは朝から泳いで身体を動かした。礼拝ではなくそれから朝をはじめてだった。
一キロ位泳いでシャワーの後で家族で朝食を食べてだ、今度は歯を磨く様に言われて歯磨きが終わるとイアンにまた言われた。
「では今日から学び舎にです」
「新しい学校にですか」
「行って頂きます」
こう言われた。
「制服も用意していますので」
「制服を着て」
「そしてです」
「登校ですか」
「そうして頂きます」
こう言うのだった。
「これより」
「学校ですか」
「はい、貴族の方々が登校される」
「そうした学校ですね」
「そしてですが」
イアンはペーターにさらに言ってきた。
「登下校は車でお送りします」
「車で」
「はい」
そうだというのだ。
「これからは、そして下校されましたら」
「それからは」
「家庭教師の方が来られますので」
「家庭教師ですか」
「左様です、ハルデンバーグ家お付の」
「家庭教師まで雇われているんですか」
「それが何か」
イアンの返答はそれが当然というものだった。
「貴族ではです」
「それが普通ですか」
「ハルデンバーグ家程の資産と血筋、そして地位になりますと」
「家庭教師もですか」
「当然としてです」
最早言うまでもなく、というのだ。
「お抱えとなっております」
「そうなのですね」
「登下校の運転手もです」
そちらについてもというのだ。
「ペーター様お付の」
「僕専属ですか」
「そうですが」
「それも凄いですね」
「いえ、ですから」
「ハルデンバーグ家ならですか」
「それも当然ですか」
「はい」
あくまでという言葉だった。
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