シレーナの封じた過去編-4-
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第一階層
「ここは……」
「森のようですね」
……森。第一階層と書かれた扉をくぐった先にあったのは南の森みたいに木々が青々していて春の陽気で小鳥たちが楽しそうにさえずる森。
…でも違う。明らかに。この森からは生命力を感じられない。
鳴き声は聞こえるのに…姿は見えない。……不思議な森だ。
「人の心が創りだした迷宮って言っていたから、すごい迷路みたいな物だと思ってたよ」
「迷宮と一括りに申しましても、プリンセシナは人の記憶を元に創りだした物。十人十色。人それぞれで皆違うのですよ」
「へぇ……」
と言った後にパピコさんは追加で、特に大切な思い出や濃く覚えている場所とかが迷宮の舞台として現れやすいと教えてくれた。
じゃあこの南の森に似て似つかないこの不思議な森もシレーナにとってはなにか意味深い場所だったのかな?
『お父さん。お母さん。見てみてっ!粘土でパンダの置物を作ってみたの』
「あれは……」
しばらく歩いていると一軒の家を発見した。
家の前ではヨナくらいの女の子と仲好さそうなご夫婦がみんな仲良く日光浴をしていた。
女の子は可愛らしいパンダの子供かな?の小さな置物を持って嬉しそうにお父さんに駆け寄っていってる。
『おお、シレーナ!すごいじゃないか!』
「えっ!?シレーナ!」
「しっ!お静かに。気づかれてしまいます」
思わず声にだしてしまってパピコさんに注意されてしまった。
シレーナ。たしかにあの女の子のお父さんはそう呼んだ。
ここはシレーナの心の中だから……これはシレーナの記憶の一部?
『本当にすごいわ、シレーナ。今日は特別にあなたの好きなものを作ってあげましょう♪』
『本当!?やった!』
『『ふふふふ』』
『わーい!わーい!ワタシもっともっと勉強して、いろんな事出来るようになってお父さんとお母さんを、もっとも〜と喜ばせてあげるんだからっ!』
『まぁ!』
『ほぉそれはそれは楽しみだな』
『ふふんだっ!』
楽しそうに話しているシレーナたち親子を見て僕は小声で
「昔のシレーナってちょっとお転婆だったんだ」
「おや?今は違うんですか?」
「うん。今はどちらかと言うと物静かであまり感情を表に出さないな…」
「へー。少女も一皮むけて大人になったと言うことでしょうか」
「うーん…そうゆう事はよくわからないな」
「ま、ご主人様可愛い♪」
「………」
でも本当に大人になったから、性格が真逆に変わったのかな…。
他にもなにか重大な事があって、変わらず得ざる負えないかったとか……。いや、さすがに考えすぎかな。
『お父さん。ワタシちょっと近くの川に
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