(現代語訳)竹取物語(口語訳)終
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葉に答えてこう言った。
『私はやるぞ。月のやつらの、目を爪で突いてやる。髪をつかんでふりまわしてやる。尻を出させて、恥をかかせてやる』
かぐや姫は暗い顔のまま。「大きな声を出さないでください。みっともない。私たちのお別れの時なのですから」
そして思い出をふりかえる。
「これまで私がいただいた愛情に、とても感謝しております。この世界で長く一緒に暮らすことができない運命だったことが悲しくてなりません。育ててもらった恩返しの、親孝行もできずに去ることになってしまい残念に思います。
この数日、月に向かって『どうかあと一年だけここにいさせてください』と願いをかけていたのですが、どうやら叶えられなかったようです。お心を乱したままで帰ることをお許しください」
かぐや姫は泣いていた。
「月の都では、年を取ることなく、そして何事にも悩むことなく暮らしていけるそうです。でも、そんなところへ行けるのだと知っても、ちっとも嬉しくありません。できれば、お父さんとお母さんと、一緒に年を重ねたかった」
爺さまは『胸をいためるようなことを言わないでくれ、きっと大丈夫だから』と彼女をなぐさめた。
夜が更けた。
しかし、深夜だというのに、家の周りが昼かと思うくらい明るくなった。満月の明るさを十倍にしたくらいの光で、毛穴すら見えそうなほどの明るさ。
空からぞろぞろと雲に乗った人間が降りてきて、地面からすこし浮き上がったところに整列した。
これを見た誰もが、わけのわからぬ力で押さえつけられたように、戦う気持ちをすっかり無くしてしまった。
なんとか『やるぞ』と思い立って弓を構えようとした人もいたけれど、すぐに手の力が抜けてしまった。
いちばん勇敢な兵士がやっとのことで撃つことができたが、ぜんぜん違う方向へちょっと飛んだだけだった。
そんなわけで、かぐや姫を守るために集まっていたはずの人々は、ただぼうっとして、お互いの顔を眺めているだけであった。
月の人たちは、見たこともないような清らかな衣装を着ていた。空を飛ぶ乗り物を持ってきており、そこには大切な人を乗せるための飾りつけがしてあった。
『造麻呂、出てこい』とその中のトップだと思われる人が言った。
爺さまは先ほどまでけんか腰だったが、自分の本名を呼ばれ、ふわふわした気持ちでひれ伏した。
『貴様はつまらない人間だが、つつましく、真面目に生きていたので、かぐや姫を少しの間預けていた。そのおかげで貴様は、別人のように金持ちになれただろう。
かぐや姫はこちらの世界で罪をおかしてしまったので、しばしの間、この世界に降りてきていたのだ。貧しい貴様のもとへだ。だが、罪をつぐなう期間は今日
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