(現代語訳)竹取物語(口語訳)5
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られるような性格ではありません。わがままで、やんちゃで、私も妻も困っているほどです。しかし、せっかくのお話なのですから、帰ってまた私から話してみましょう』
『頼むぞ。もし仕えることになったのなら、お前にすごい地位を与えてやろう』
爺さまは喜んで家に帰った。かぐや姫に言います。
『こんな風にミカドがおっしゃってくださったのだ。どうしてもお仕えする気にはなれないか」
「もしそうなったとしても、私はきっと逃げ出してしまうでしょう。そんなに位が欲しいのですか。それならば、私はお仕えしますけど、すぐに消えるか死ぬかしますわ」
かぐや姫の真剣な目つきに、爺さまはあわてた。
『そんなことを言わないでくれ。たとえりっぱな地位をいただいたとしても、自分の娘を失っては、生きる意味がない。そこまでして、位など欲しくはないのだ』
爺さまは必死に否定した。
『それにしても、どうしてそんなに嫌がるのだ。死ぬような苦しみを味わう仕事でもないだろうに』
「そもそも男の方のそばにいるというのが、いやなのです。これまでたくさんの人のご好意を断ってきたので、それはおわかりでしょう」
『それはそうだ』
「それに、ミカドのお話はついこの間持ちかけられたばかり。ここで『はいミカドなので喜んで』とほいほい行ってしまっては、いままでのお方に申し訳がありません。恥ずかしさで、私は死ぬより苦しむでしょう』
爺さまは納得した。『わかった。私としては、あなたが生きていることが一番なのだ。世間にはどう言われてもかまわない。では、ミカドにお断りしに行ってくる』
ミカドの元に参上してこう述べた。
『おおせのままに、わが娘を説得しようといろいろ手を尽くしましたが、"お仕えしたら私はきっと死ぬ”とのこと。そのそも彼女は、私が竹の中から見つけた女の子。ふつうの人とは考え方が違うことをお許しください』
ミカドはウムとうなった。
『そこまで言うなら仕方がない。それでは別の頼みごとをしてもよろしいか』
『なんでしょう』
『お前の家は山のふもとだったな。そのあたりで狩りをするふりをして、ちらっとかぐや姫の姿を見てみたいのだが』
『はい』 爺さまは頷いた。『あの娘がぼーっとしている時にでもいらっしゃったらよいでしょう』
二人はその場で、細かいところまで相談をした。
後日、ミカドは計画どおり外出し、家の近くまでやって来た。
門のところからちらっとのぞくと、身体じゅうから光があふれているような、たいへん美しい人が座っていた。
『あの人に違いない』とミカドは気分が高まって、かぐや姫に近づいた。もちろんかぐや姫は逃げる。そでを捕まえた
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