暁 〜小説投稿サイト〜
Re:童話姫たちの殺し合いゲーム
(現代語訳)竹取物語(口語訳)5
[4/5]

[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話
られるような性格ではありません。わがままで、やんちゃで、私も妻も困っているほどです。しかし、せっかくのお話なのですから、帰ってまた私から話してみましょう』

『頼むぞ。もし仕えることになったのなら、お前にすごい地位を与えてやろう』


爺さまは喜んで家に帰った。かぐや姫に言います。


『こんな風にミカドがおっしゃってくださったのだ。どうしてもお仕えする気にはなれないか」


「もしそうなったとしても、私はきっと逃げ出してしまうでしょう。そんなに位が欲しいのですか。それならば、私はお仕えしますけど、すぐに消えるか死ぬかしますわ」


かぐや姫の真剣な目つきに、爺さまはあわてた。


『そんなことを言わないでくれ。たとえりっぱな地位をいただいたとしても、自分の娘を失っては、生きる意味がない。そこまでして、位など欲しくはないのだ』 


爺さまは必死に否定した。


『それにしても、どうしてそんなに嫌がるのだ。死ぬような苦しみを味わう仕事でもないだろうに』

「そもそも男の方のそばにいるというのが、いやなのです。これまでたくさんの人のご好意を断ってきたので、それはおわかりでしょう」

『それはそうだ』


「それに、ミカドのお話はついこの間持ちかけられたばかり。ここで『はいミカドなので喜んで』とほいほい行ってしまっては、いままでのお方に申し訳がありません。恥ずかしさで、私は死ぬより苦しむでしょう』


爺さまは納得した。『わかった。私としては、あなたが生きていることが一番なのだ。世間にはどう言われてもかまわない。では、ミカドにお断りしに行ってくる』


ミカドの元に参上してこう述べた。


『おおせのままに、わが娘を説得しようといろいろ手を尽くしましたが、"お仕えしたら私はきっと死ぬ”とのこと。そのそも彼女は、私が竹の中から見つけた女の子。ふつうの人とは考え方が違うことをお許しください』


ミカドはウムとうなった。


『そこまで言うなら仕方がない。それでは別の頼みごとをしてもよろしいか』


『なんでしょう』


『お前の家は山のふもとだったな。そのあたりで狩りをするふりをして、ちらっとかぐや姫の姿を見てみたいのだが』


『はい』 爺さまは頷いた。『あの娘がぼーっとしている時にでもいらっしゃったらよいでしょう』


二人はその場で、細かいところまで相談をした。


後日、ミカドは計画どおり外出し、家の近くまでやって来た。
門のところからちらっとのぞくと、身体じゅうから光があふれているような、たいへん美しい人が座っていた。


『あの人に違いない』とミカドは気分が高まって、かぐや姫に近づいた。もちろんかぐや姫は逃げる。そでを捕まえた
[8]前話 [1] [9] 最後 最初 [2]次話


※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりをはさむしおりを挿む
しおりを解除しおりを解除

[7]小説案内ページ

[0]目次に戻る

TOPに戻る


暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ

2024 肥前のポチ