(現代語訳)竹取物語(口語訳)4
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珠を取ってくることがどんなに難しいかご理解されたと思いまして、これならおしかりは受けますまい、と考えて帰ってまいりました』
大納言は起き上がってこう言った。
『お前たち、珠をよく持ってこなかった。ほめてつかわす。竜はきっと雷の仲間だ。珠を取ろうとしただけでひどい目にあった。もし竜を捕まえていたら、私たちは殺されていただろう。よく捕らえないで帰ってきたなあ』
『おそれいります』
『そもそも珠を取ってこいなどと頼んだのはかぐや姫である。とんだ大悪党だ。人を殺そうとした悪女なのだからな。あの家に近づくことさえ恐ろしい。お前たちもあの辺りをうろつくのはやめよ』
そう言って大納言は家に残っていたわずかな宝物を、竜の首の珠を取ってこなかった家来たちにみんなあげてしまった。
この話を聞いて、実家に帰らされていた妻たちは大笑いしたそうな。
かぐや姫のために新築した家は、屋根が鳥の巣になって古びていったそうな。
『大伴の大納言は、竜の首の珠を取って帰ってきたそうじゃないか』
『違うぜ。両目の上にふたつ珠をつけて戻ってきたけれども、たぶんあれはスモモだ。食べられないけどな』
世間では笑いの種になったそうな。
「恥ずかしいこと」を意味する「たえがたい」という言葉は「(スモモが)食べられない」がちょっと変化して「食え難い(たえがたい)」になり生まれたそうです。
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