(現代語訳)竹取物語(口語訳)4
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をした。大納言は大いに満足。
『そうだ。お前たちは勇敢だと評判の、大伴家の家来なのだ。立派に主君の望みを果たしてくれ』
大納言は衣類や食料、資金などを屋敷にある限りたっぷり与えて出発させました。
『私だってただ待っているだけではないぞ。身を清めて家にこもり、神様に祈りをささげて毎日を過ごそうと思う。お前たち、竜の首の珠を得るまでは決して帰ってくるではないぞ』
家来たちは準備ができた者から出て行った。ところが『"珠を得るまでは帰るな”って言われたら、逆にやる気をなくすなあ。あるかどうかわからない物を探させるなんて、まったくわが主人も物好きだよ』などと言って、好き勝手なことをしはじめました。
ある者は自分の家でのんびり過ごし、またある者はずっと前から行きたかったところへ旅行に向かった。お金などはたっぷりあるのだ。
『ほんと、俺らの主君はムチャクチャを言うね』 大納言の悪口を言いあって過ごしたそうな。
さて大納言のほうはというと、『かぐや姫と結婚するとなれば、この家も豪華にしておかねばならんな』などと言い出し、職人たちを呼び集めたそうな。
家を建て直し、きれいに塗った壁に金色や銀色で描いた絵をかけ、屋根を花で飾り、室内にも美しい模様の上質な布を張りました。
(一夫多妻制だったので)奥さんたちを実家にみんな帰してしまって、かぐや姫を迎える準備をしながら、大納言は独り暮らした。
いくら待っても、家来たちは戻ってこない。一年経ったが何の連絡もない。
大納言はじれったくなって、手下を二人だけ連れて、こっそりなんばの港まで行ってみた。そこで船員をつかまえて訊ねてみた。
『あの、すみません。大伴の大納言の家来の人たちが、船に乗って竜の元へ行って、殺したあとでその首から珠を取ってきたという話を聞いたことはありませんか』
船員は『おもしろいことを言う人ですね』と笑った。『そんなことをするために船を出す人なんていませんよ』
大納言は怒った。
『ふざけたやつだ。私は大伴の大納言だぞ。ばかにしやがって。私の弓は竜を殺すほどの腕前だ。こうなったら私みずからが出て行って、珠をとってきてやる。ぐずぐずしたのろまな家来には任せておけぬ』
さっそく出航し、さまざまな海をめぐった。そして都からだいぶ離れた筑紫(つくし)というあたりへたどり着いた。
どこから来たのか、風が強く吹いている。あたりは暗くなり、船はがたがた音を立てる。
よくわからない力が船を海の中へ引きずり込もうとしている。波は高く、つぎつぎと襲いかかってくる。雷がきらめいた。大納言はおどおどした。
『ひどい状況だ。どうしてこうなったのか』
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