(現代語訳)竹取物語(口語訳) 3
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の材料(金や銀)は、治めていた領地から集めてきた物だ。
そして、かぐや姫が言ったとおりの品物ができた。こっそりなんばの港に運び込みました。
車持の皇子は『船旅から帰ったぞ』と自宅へ知らせた。多くの迎えがなんばの港に集まったそうな。
玉の枝は細長い立派な箱に入れられて、隠されるようにして京都へ運
『車持の皇子はうどんげの花を持って帰ってきたのだ』と人々はうわさしたそうな。うどんげの花とは三千年に一度咲くとされている伝説上の花で、開花したときによいことが起きるという言い伝えがある。
そのうわさはもちろんかぐや姫にも届き
あぁ。そんなに珍しい花を持ってこられたら、私は車持の皇子と結婚しなければならないわ
と胸がつぶれる思いであった。
そうこうしていると『こんばんは』と車持の皇子が門を叩く音がする。
『旅行帰りの服装で失礼ですが』と彼は一言つけて『命がけで玉の枝をとってまいりました。どうかかぐや姫にお見せください』と爺さまに箱を手渡しました。和歌がそえられていたそうな。
<玉の枝を手に入れないうちには帰らないぞ という決心をして、ついに持ち帰ってきました。あなたのことも手に入れないうちには今日は帰りません>
ぼうぜんとして枝と手紙を見ているかぐや姫に、爺さまはこう言いいました。
『課題として出した蓬莱の玉の枝を持ってきたのだから、文句は言えないだろう。
旅の格好のまま来られたということはそれだけあなたのことを想っているということだし。結婚するべきではないか』
かぐや姫は頬杖をつき、不満げな様子である。
車持の皇子は『今さらつべこべ言われても困りますぞ』と縁側のあたりまで来た。
爺さまも『この国では見たこともない玉の枝だ。どうして断れるだろうか。たいへんな苦労をしたのだろうと思うぞ。いい人じゃないか』と乗り気だ。
かぐや姫は
親の言うことを最初から断るのはよくないと思ってああ言ったのに。どうしてわかってくれないのかしら。わざと難しいものを取ってくるように言ったのに
と思っていましたが、それをまったく察せず、爺さまは部屋を整理し、対面の準備を始めました。
『ところで、どのような所にこの樹は生えていたのでしょうか。さぞかし幻想的で美しい場所なんでしょうな』と翁は車持の皇子に訊ねた。
彼は次のように語った。
なにわの港から船に乗って海に出ましたが、どこを目指せばよいのか、さっぱり見当がつきません。しかし 一度決めたことを成しとげずに何が人生だ と思い、ただ風に任せてさまよいました。
死んでしまったらも
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