竹林の賭博 -終-
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、これがっ!』
ブヂュリ。
プレス機に潰されぺったんこ。持ち上がったプレス機の下には真っ赤な血で染まった着物と
「み〜けっ♪」
赤ずきんがヌップとぺしゃんこになった着物だったものから取り出したのは、ぺしゃんこになった―竹美姫の心臓
「あぐっん」
赤ずきんはソレを一口で食べる/飲み干す。これで二人目。
『あ。あの…メェー』
声をかけられた。振り返るとそこには半分消えかかり半透明になった山羊七いた。
城の主が消えれば、役目を終えたモノも同時に消える。竹美姫の使徒である奴も例外ではない。
「なんだ」
『最期に…どうしても…聞きたかった…メェー
どうして…姫さまの…いかさま…わか…メェー』
なんだ、そんなことか。最期と言う割にはじょぼい内容だ。
「カジノはイカサマをしてなんぼの世界。奴がイカサマをしていることぐらいすぐにわかる。
そこで俺はどいつが多く投票しているのか知る必要があった」
『…メェー』
「仮に竹美姫と通じていた奴が二十人いたとする、この二十人が出す手を共有しないとイカサマにはならない。
だが観察した限り投票される手に規則性はなかった、かといって予め順番を覚えていたとも考えにくい。よってなにを出すかはその場、その場で毎回決められていた、ということになる。…じゃあどうやって?
五回戦までずっと観察していたが、竹美姫は特に合図のような物は出していなかった。じゃあ、音は―? いや、そんな音も出してはいなかった。
なら残りは一つしかない、竹美姫の代わりに賭博場にた誰かが合図を出している。この考えが正しければ、皆の視線を集める特定の人物がいるはず、観察を続けるうちふと、気づいた。
俺への視線は対戦相手なのだからあって当然と、その考えが間違いの元だった。黒羊共の視線は俺にではなくその実、俺の後ろにいた
お前に注がれていたんだ、七」
『やっぱり…すべて…お見通し…だった…メェー』
「後は簡単だった、お前の挙動から合図を推察すればいいんだから」
『…メェー?』
「持っててよかった、手鏡」と言い名がポケットに入れていた小さな丸い鏡を見せてやる。山羊七は満足そうに微笑み、スッと消えた。
「………」
「ツギハギさん…」
「なんだ」
―感傷に浸る暇なんて俺達にはない
「赤ずきん、次は何処へ行く」
「あっち!」
崩れ朽ち果てた、千年魔京の先 南の方向に見える 青く波打つもの
「海か」
―ふわりと吹いた風 磯の香
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