竹林の獣(2)
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『そこのオニイサン〜』
『アタシ達とアソばないかい〜?』
『イイコトたっくさんしてあげるからさ〜♪』
奥へ向かう通路の両さいど、檻のような部屋に入れられ女達が妖艶に手招きする。
山羊が『彼女たちもここの従業員だメェー』と言っていたが、おそらくあの女達は遊女だろう。
この世の娯楽園 千年魔京とは良く言ったものだな。
『メェー!!!』
通路を歩いていると、俺達を案内していた山羊とそっくりな見た目の、六匹の山羊が、俺達を通さないぞと言いたげに道を塞ぐようにして現れた。
「なんだ。あの山羊は」
『兄さんたちだメェー。ぼくたち七匹兄弟なんだメェー』
三匹の子豚に七匹の子山羊…か。あとは狼が居れば完璧だったのにな。
俺達を案内していた山羊は七番目、虐められっ子の末っ子だ。
『メェー!!』
「なんて言ってる」
『ここは通さんメェー!!って言ってるメェー』
「それは見ればわかる」
『メェー!!』
『どこぞの馬の骨ともわからん奴がなにしに来たんだメェーって言ってるメェー』
「あなたたちの姫様を殺しにきました♪」
「あ、赤ずきんさんっ!!?」
正直すぎるだろ、赤ずきん。
『メェエエエエ!!!?』
ほら。山羊共が怒りだした。俺達を案内していた山羊も驚愕の表情といったところだ。
『ブヒブヒブヒィーブー!!』
「あ〜♪ 子ブタさん達だ〜アハハハッ♪」
竹林で赤ずきんが蹴り飛ばした豚共までやって来た。
「どうするつもりだ、赤ずきん」
「ネェ……みんな、ボクとアソビましょう?」
訊いても無駄だったな。赤ずきんにとっては遊び相手の方からやって来たようにしか見えていなんだからな。
『メエエエエェェ!!』『ブヒィィィィ!!』
「アハハハハハハハッハハハハハハハハハハッ♪」
狂気に笑う赤ずきんと怒り爆発の豚と山羊共で一触即発の状況だったが
『おやめになってくださいませ』
『メェ?』『ブィ?』
「ん?」
長い黒髪 着崩し胸元がはだけた着物の女。女の鶴の一声で、緊迫した空気が一瞬止まった。
『うふふふふふ…』
頬を赤く染めた女は熱を帯びた視線を俺に向ける。なんだあの女は
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