偵察-リコンナイセンス-part2/届かない手
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ところで体をひねらせ、テロチルスの頭上に移動、テロチルスの突進は空振りに終わった。その直後、すぐにコスモスはテロチルスの足を掴み、勢いよく体を回転、その遠心力で遠くに向けてテロチルスを投げ飛ばした。
「ビイイヤアアアア!!」
「グッ…」
続いて、今度はバードンが火炎放射をコスモスに向けて放つ。ちょうど背後からの攻撃で、さすがのコスモスもその熱を浴びて怯んだ。
だが彼はこの程度で倒れはしない。すぐに構え直し、すかさず迫ってきたバードンを受け流し、すれ違い様に平手で掌底を叩き込んでバードンを押し出した。
それからコスモスは、何度も繰り出される怪獣たちの攻撃を軽くいなしていった。
「すごい、さっきからまるで怪獣たちの攻撃を通していない」
「無駄もなく、それでいて冷静…あのコスモスというウルトラマン、噂のゼロやネクサス同様、相当の戦士だ」
そのようにサイトとヘンリーは言った。
軽やかで美しい動きを崩すことなく、怪獣たちを翻弄するコスモスの姿に、サイトたちは強く関心を寄せていた。事実見とれていたと言える。
しかし、ルイズは一つ気になることを見つけた。
「でも、あいつさっきから変じゃない?」
言われてみて、ヘンリーやハルナもコスモスの姿を見る。
「え…でも、どこもおかしい感じがしませんけど?」
アキナと人格が入れ替わったハルナが首を傾げると、そのことについてルイズは気になっていたことを明かした。
「戦い始めてから、あのコスモスってウルトラマン、自分から怪獣たちに攻撃していないわ」
そう、彼はさっきから、カオス化した怪獣たちに、何一つ決定的な攻撃手段をとろうとしてなかった。先ほど、カオスヘッダーが憑依される前のネクサスがやったように、
「何を考えてるの?ウルトラマンは長く戦うことってできないんでしょ?だったら必殺技で一気に止めを刺した方がいいはずじゃ…」
ルイズがそう考えるのも当然と言えた。ゼロやネクサスが怪獣たちと戦うことにより、ウルトラマンとは怪獣を倒して人を守る存在であるという認識の上に置かれていた。そして怪獣は人々の平和を乱す存在。そのため、コスモスが一向に攻撃に転じようとしないことを不思議に思った。
サイトは、当の本人からその話をあらかじめ聞いていたので、コスモスがあのような戦い方をする理由については納得していた。コスモスは、あの怪獣たちさえも助けなければならないと考えているのだ、と。
しかし、やはり4対1という状況はサイトが予想した通り、まだ万全とはいえないコスモスにはきついものだった。そのため次第に動きが悪くなり始めていた。
「ギィィィィ!!」
しかも敵はカオスヘッダーに感染されているせいでパワーアップしている。さらに言うと、怪獣たちのうち3体は過去にウルトラ兄弟を苦しめた個体で占められている。コスモス
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