暁 〜小説投稿サイト〜
ウルトラマンゼロ 〜絆と零の使い魔〜
偵察-リコンナイセンス-part2/届かない手
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、とサイトが一息吐いたのを見た。ネクサスは彼の手を煩わせたことを悔やんだ。
その時だった。

――――ドクン

――――ズズズズズ…

(な、なんだ!?これ、は…?)
嫌な悪寒が、体の中を毒と共に駆け巡り始めた。
内部から、自分の知らない何かが湧き上がり、自分を全く異なる色に染め上げようとしている。ティファニアたちを襲ったムカデンダーやメンヌヴィルたちに対して湧き上がったどす黒い感情とはまた違う…おぞましい感覚だ。

『我ラト同化セヨ』

「!?」

『秩序ヲ求メルナラバ』

「…嫌だ、止めろ…!!」

『救済ヲ求メルナラバ…』

『我等ヲ受ケ入レヨ』

「俺の中に踏み込むなあああああああああ!!!」
その感覚が、次第に頭の方にまで回り始めた時、ネクサスは自分の中に駆け廻り始めた悪寒に対して叫んだ。



『ムサシ、あれは…!』
「ああ、間違いない!カオスヘッダーがウルトラマンネクサスの…黒崎君の体に取り付いたんだ!」
脱出中のアバンギャルド号からそれを見ていたムサシは、今のネクサスに起きた異変にいち早く気付いた。さらなる最悪な事態だ。よりによって、カオスヘッダーが自分たちと対立していたあの頃と同じ手口を使ってくるとは。
カオスバードンが、嘴でネクサスの背中に突き刺したあの瞬間、毒と共に彼の体にカオスヘッダーが流し込まれたのだ。
カオスヘッダーは、かつて宇宙に平和をもたらすために、とある善意ある存在によって作り出された人工生命体だった。しかし、その方法は一言で言うなれば『押し付けの善意』だった。なぜなら、カオスヘッダーは無数で一つ、あらゆる存在を自分たちと同化させることで、異なる存在同士の争いを鎮め平穏を保たせようとしていたのだ。違う存在同士が相対すれば、間違いなく争いが起こる、それを防ぐためである。
カオスヘッダーに取り付かれた怪獣たちが暴走し破壊活動を実行するのは、憑依された存在がカオスヘッダーにまだ馴染み切れていないが故の症状。だがいずれは、カオスヘッダーの意思に乗っ取られ、支配される形で彼らは争いを止める。
平和は確かに手に入るかもしれないが、同時にそれは心ある存在の意思を踏みにじる行為でもあった。
恐らくカオスヘッダーをさらい、悪用しているレコンキスタは、カオスヘッダーに取り付かれ暴走状態に陥った怪獣たちを侵略兵器として利用できると考えたのだ。
「なんて卑劣なことを…!!」
ムサシは、今はかつての自分の過ちを認識したカオスヘッダーを、彼らの意思と関係なく悪事に走らせたレコンキスタへの怒りを覚えた。
だが今は、カオスヘッダー以上にネクサスが…そしてカオスヘッダーに取り付かれてしまった怪獣たち、そしてまた以前と同じことをさせられているカオスヘッダーのことも心配だ。
ムサシは、
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