偵察-リコンナイセンス-part2/届かない手
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被弾するうちに、爆炎の中に消えたネクサス。怪獣たちはそれに紛れて四方から取り囲み、彼に奇襲を仕掛けようとした。
だが、爆炎の中から赤く強い光が漏れ出る。直後、爆炎の中から激しい竜巻が起こり、爆炎を掻き消すと同時に周囲の怪獣たちを大きく吹き飛ばした。
消えた爆炎の場所、そこにはすでにジュネッスブラッドへスタイルチェンジしたネクサスが浮いていた。自らの体に竜巻〈ネクサスハリケーン〉を纏ったことで怪獣たちの攻撃を掻き消していたのだ。
既にアバンギャルド号から怪獣たちは興味を逸らしている。なら自分も加勢しよう。そう思ったジュリオはリトラに接近するよう命令し、まずはベムスターに向かわせる。口から放つ火炎弾と、ベムスターの角から放つエネルギー弾が、互いに避けあったり、空中でぶつかり合って相殺されていった。
すかさずネクサスは足を突き出したまま飛行し、ペドレオンを思い切り蹴飛ばす。蹴飛ばされた反動で、ペドレオンはちょうど後ろの方で、リトラを撃ち落とそうとしたベムスターに激突する。入れ替わるように、テロチルスが再び飛び掛かってくるが、近づいてきたところでネクサスは顔面にジュネッスパンチを叩き込んだ。
「デア!!」
「ギィイイイ!!」
思いの他、形態変化している割に軽くいなせている。だが、4対1の状態は少しばかり部が悪くなることが懸念される。それに…作戦こそド・ポワチエの一派のせいでめちゃくちゃな結果となってしまったが、今の自分の最大の目的がある。
自分を助けるためにレコンキスタに捕まってしまった、アスカ・シンを助け出さなければならない。こいつらにいつまでも構っている場合なんかじゃないのだ。
一気に光線で、止めを刺してやる。ネクサスは両腕をL字型に組み上げ、まずはカオスペドレオンに向けて必殺光線を発射した。
〈オーバーレイ・シュトローム!〉
量子分解の破壊光線が、ペドレオンを襲う。
だが、予想外の事態を目の当たりにした。ベムスターが、リトラから光線を撃とうとするネクサスを見た途端、待ってましたと言わんばかりにそちらの方に向かっていった。
「いけない!その怪獣は…!」
リトラの上から、ジュリオが叫んでいたが、すでに遅かった。
カオスベムスターが、ペドレオンに光線が直撃する前に、自ら盾となって立ちふさがった。まったく異なる種の怪物だというのに種を超えた絆でもあるのかと、一瞬でも思ってしまったほど、ネクサスには衝撃だった。だがそれ以上に……
「!?」
ベムスターが盾となったことで、ネクサスの発射した光線が、直接奴の腹に吸い込まれていくのを見たことが、彼にとっての衝撃的な光景だった。
(こいつ、俺の光線を…!!)
腹いっぱいだといわんばかりに、ベムスターは腹を軽くたたいて満足げに鳴いた。そんな彼の動揺を突くように、
ドガッ!!
「ッッ
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