偵察-リコンナイセンス-part2/届かない手
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戻した……訳ではなかった。
サイトのあえての攻撃で我に帰ったが、怒りの感情がアルビオン大陸の方から自分自身に移った。
さっきまでアスカを助けることに拘りすぎて、ネクサスは結界に閉じ込められたトリステイン小型艦のことを完全に無視していた。ちょうど射線上に、結界で阻まれていたとはいえあの小型艦があったのに、それを全く考えてなかった。
それでは、メンヌヴィルが言っていた通りではないか。
『貴様も俺と同じ…血に飢えて血で、赤く染まった存在だ』
「なんでだ…なんで…」
認めたくなかった。あんな男と同じだということに。
だが、認めたくないのに、認めざるを得ないと感じていた。
残酷な現実ばかりが、自分と言う存在がトリガーとなって引き起こされ続ける。
ネクサスは…シュウは感情を抑えられずに叫んだ。
「なんで俺は!!
いつも…いつもいつも!!
助けたいと思った奴に限って助けられないんだ!!!
そればかりか、また罪ばっかりが無駄に重なって行く!!」
「なぜなんだああああああああああああああ!!」
伸ばした手も、心も届かない。
悔しさと憎悪に満ちた声はアルビオンの空に轟き、サイトとコスモス…ムサシは心を痛めた。
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