偵察-リコンナイセンス-part2/届かない手
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コトハナイ』
「や…やめ………」
頭の中で、誘い続ける声は止まる気配がない。その声を聴くたびに、発狂が長引いていく。
『我ト同化セシメヨ』
「黙…れ…!」
恐らくカオスヘッダーの声だろう。かつてコスモスと対立していた時と同じ状態にさせられ、ネクサスをも取り込もうとしていた。
『サスレバオ前ノ闇ヲ、我ラで…』
「黙れって…」
――――薄汚いウイルス風情が図に乗るな
「言ってるだろうがアアアアアア!!」
『ヌグゥ…!?』
もだえるのを止めたネクサスが、声を轟かせる。同時に、カオスヘッダーの光の勢いが止まった。
「…?」
サイトたちもコスモスも、さっきまでの発狂ぶりがうそのように落ち着いたネクサスを見て、呆然とする。
「なんだ?一体なに…が……!!?」
ネクサスの体から、カオスヘッダーを飲み込みながら、赤黒いオーラが漏れ出していた。
「俺は…アスカを助けなければならないんだ…それなのに…」
顔を上げて、ネクサスはカオス化した怪獣たちを睨み付ける。
「邪魔をするなああああああああああ!!!」
頭上にシュトロームソードを形成するネクサス。その剣はいつも以上に禍禍しいオーラを纏っていた。
すると、怪獣たちの様子にも変化が現れる。さっきまでコスモスに対して余裕を持っていたが、今はうってかわって尻込みしたかのように体が震えている。今のネクサスに、彼らは明確な恐怖を感じていた。
「ギギギィ…ピヤアアアア!」
恐怖に駆られるあまり、先に殺らねば殺られると思ったのだろう。怪獣たちは一斉にネクサスに向けて襲いかかった。
しかし…一瞬の出来事だった。
怪獣たちの首が、その一瞬で撥ね飛ばされていた。
「!」
コスモスは無意識のうちに手を伸ばしていた。しかし、首と胴が離れ落ちていった怪獣たちにその手は届くことはなかった。ジュランのではないとはいえ、助けようと思っていた怪獣たちが、同じウルトラマンの…とても光の戦士と思えない一撃で葬られた。コスモスは、ショックのあまり硬直した。
ネクサスはコスモスにもサイトたちにも、自分が手にかけた怪獣たちにも目をくれず、アルビオン大陸の方を見上げる。謎の結界が張られ、大陸を覆って侵入者を徹底的に寄せ付けようとしない。
忌々しい…!
ネクサスは結界をうっとおしく思い、胸のコアゲージを赤く、そして熱く禍々しい光を輝かせ、結界に向けて必殺光線を放った。
〈コア・インパルス!!〉
「ガアアアアアアアアアアアアアアア!!!!」
エナジーコアから発せられた光線はまっすぐ結界の方に向かい、ぶつかった。だが、ネクサスが浴びせ続けても、結界は消える気配がなかった。それでもネクサスは他への配慮を一切捨て去り、ただアスカが捕えられ
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