偵察-リコンナイセンス-part2/届かない手
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い、見ろ!」
ヘンリーは、ある方角を指さしてサイトたちに呼びかけた。
「な、なんだよ急に!人が決心した矢先、に……………!?」
殺気のルイズのデルフに対するそれのように、ヘンリーにも文句を言いたくなったサイトだが、指をさした方角を見て、言葉を失った。
それだけ、彼の目に見えたその光景は…『異常』かつ動揺を誘うのに十分すぎた。
(コロナモードになれないなんて…やっぱりエネルギーが十分じゃないのか…!)
エネルギー不足なのは知っていたが、まさかコロナモードにさえ変身できないとは。怪獣たちを助けるどころか、こっちが攻撃をかわすだけで精いっぱいだ。
『ムサシ、今の我々ではさすがにこれ以上は限界だ。彼を連れてここは退却するべきだろう』
『…悔しいけど、そうするしかありませんね』
これ以上エネルギーの消費とダメージの蓄積は、自分たちの身さえも危険でしかない。ここで自分たちが倒れたら、誰もカオスヘッダーや惑星ジュランの怪獣たちを連れ帰ることができない。
サイトたちを連れての撤退を決めた、その時だった。
「グウウウウウウウウああああああああ!!!」
「「「!!?」」」
カオスヘッダーの汚染からコスモスの浄化光線によって浄化されたはずのネクサスが、苦しみの雄叫びを上げた。誰の耳にも届くほどの迸る叫び声に、サイトたちも、コスモスも思わず彼に視線を傾けた。
(どういうことだ!?フルムーンレクトでは威力が足りなかったのか!?)
「シュウ…?」
動揺するコスモスと、思わず苦しむ彼の名を呟くサイト。嫌な予感がよぎった。
「黒崎君!カオスヘッダー!目を覚ますんだ!」
コスモスが、ムサシの声でネクサスと、彼の中に巣食おうとしているカオスヘッダーに呼びかける。だが、カオスヘッダーはかつての邪悪さを取り戻し光のウイルスとしての役目を続けていく。
このままではネクサスまでもカオス化してしまう。
かつて自分もカオスヘッダーに憑依され、コスモスに似た偽のウルトラマン『カオスウルトラマン』が誕生し、何度も自分達の前に立ち塞がった。場合によっては、今度はネクサスをベースにした新たなカオスウルトラマンが誕生するかもしれない。
「ウ、ウググウウウウウウ…!!」
ネクサスはもだえ苦しみ続けた。コスモスのフルムーンレクトを浴びても、一時的に落ち着いただけで、実際には効果をもたらしていなかったのだ。
フルムーンレクトで浄化されるはずなのに、寧ろ勢いを増していくカオスヘッダーの光が次第に強まり始める。
両手で頭を抱え、背中をエビぞりにしたり頭を垂れたりと、まるで悪霊に取り付かれたかのように異常。そこに人間たちの守護者=ヒーローとしての姿など皆無だった。
『サアドウシタ』
「ウウウウウアアアアア…」
頭の中に、嫌な声が流れ込み続ける。
『拒ム
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