偵察-リコンナイセンス-part2/届かない手
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く念じても、彼女の身に変化は起こらなかった。予想していなかったわけじゃないが、変身できないことにアキナは絶句する。
サイトもそれを見て焦りが高ぶる。ハルナの変身できない状況と、今またしつこく接近するバードン。
やはりここは自分が出るしかないのか。
だが、バードンに向けて下から光の刃が飛んでバードンの嘴に直撃する。
サイトたちは今のがネクサスの攻撃によるものだとすぐに察する。
「シュウ…!」
「ビイイヤアアア!?」
そこは偶然にもバードンの片方の毒袋だった。かつてはその毒で、タロウやゾフィーをも倒して見せたバードンだが、実はその毒を溜めている頬袋が弱点だった。自分の毒が逆流し、その毒に苦しむバードン。だが、カオスヘッダーが取り付いている影響からか、致命傷に至るほどのダメージはなかった。
弱点を突かれたことでキレたのか、カオスバードンは下にいるネクサスの方へ方向転換し、そのまま直行した。バードンがホーク3号から離れたことで、サイトたちは間一髪命を拾った。
「助けられちゃったわね…」
ルイズが、自分たちに代わってバードンに狙われ始めたネクサスを窓から見て、借りができてしまったことを感じる。シュウに対して個人的に色々ムカつく印象を持っているルイズだが、受けた借りは返さなければならないと思った。
一方でアキナは、自分の両手を見て、悔しさで表情を歪ませていた。
ウェザリーとの戦いを制した後、その戦いで光の力で変身できたという事実に、ハルナとアキナは、自分たちもまたウルトラマンとしてサイトと共に戦える、そんな期待を寄せていた。だが、実際そうはうまくいかなかった。結局これでは、守られているだけのか弱い少女というだけ。虚無の魔法が使えるルイズと比べると…
(くそが…なんて役立たずなんだ、あたしは…)
やっとサイトの隣に立てる、一緒に戦える。そんな期待が打ち砕かれ、アキナは…ハルナは己の無力感を痛感した。
離脱していくアバンギャルド号には、もう怪獣たちは関心を寄せていなかった。
ネクサスは、先ほど攻撃したバードンの他にも、テロチルスやペドレオン、ベムスターが近づいてきたのを見て、再度光刃を飛ばし始める。
「シュ!ハッ!!」
怪獣たちはそれを避けつつ、ネクサスに近づいて突進を仕掛ける。一番最初に彼に届きそうになったのはテロチルス。ぶつかる前に、ネクサスは自らテロチルスに掴み掛り、動きを抑える。彼がテロチルスと取っ組み合っている隙を突くつもりか、バードンが毒のくちばしを突き出して飛来する。…と思ったが、口から火炎弾を放ってきた。
「っグゥ…!」
火炎弾を連続して食らい、ネクサスはテロチルスから手を離し、そのままバードンの体当たりを背中から受けてしまう。すかさず、ペドレオンやベムスターも迫り、エネルギー弾を飛ばして彼に被弾する。
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