第三章
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「それでいつも彼氏に指輪貰ったって言ってれば」
「結婚指輪イコールで」
「彼氏がいるってわかるから」
「彼氏がいるのは嘘じゃないし」
「だからね」
それでというのだ。
「やってみたら?」
「そうね」
里香も考える顔になって頷いた。
「それじゃあ」
「よし、じゃあね」
「告白されない為に」
「ここはよ」
「指輪をね」
「するのよ」
左手の薬指にというのだ。
「そうしましょう」
「それじゃあ」
里香も頷いた、こうしてだった。
実際に指輪をした、左手の薬指に。そしてその指輪を彼氏から貰ったといつも言っているとだ。
「もうね」
「いなくなったね」
「告白する子が」
「そうなのね」
「ええ」
そうだというのだ。
「指輪ってわかるのね」
「まあね」
「それで彼氏から貰ったって言ってたらね」
「自然とね」
「告白する人がいなくなるわ」
「そうなるわよ」
「中学生や高校生の子も」
里香はほっとした顔で友人達に話す、大学のキャンバスの中にある中庭の中に腰を下ろして話している。
「わかるのね」
「まあ常識?」
「左手の薬指の指輪は結婚指輪って」
「しかもそこで彼氏がって言ったら」
「もうね」
「それこそだからね」
「これはってなるから」
里香には既に相手がいるとわかるからだというのだ。
「声かけなくなるわよ」
「そんなものよ」
「まあとにかくこれでね」
「里香ちゃんも一安心ね」
「平和になったわね」
「ええ、何か自然にね」
その指輪を観つつだ、里香はこうも言った。
「告白されていたから」
「それに応えられないから」
「告白されても困るし」
「だったら最初から告白されない様にする」
「それがベストだからね」
「その為の指輪ね、じゃあこれからも」
里香は今も指輪を見ている、そうしつつ話していく、
「指輪していくわ」
「そうした方がいいわ」
「告白されて困るのならね」
「最初から告白されない様にする」
「その為の工夫も必要よ」
皆で里香に話す、そしてだった。
里香はずっと指輪を付けて告白されることを避けていった、だがその指輪をプレゼントしてくれた彼と将来本当に結婚することになるとは思っていなかった、そこまでは彼女の思いが至ることではなかった。
年下キラーの指輪 完
2017・8・27
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