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俺の涼風 ぼくと涼風
番外編
熨斗をつけて返す
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の力でやれ。そういうやつだろお前は。

「出来るか」
「うん……でき……ゴフッ……」
「上等だ相棒。あたしの妹分を助けてくれて、サンキューな」

 血を吐きながらではあったが、雪緒はあたしにそう答えた。体調は心配だが、あとは無事な涼風に任せることにしよう。涼風は雪緒に任せ、雪緒は涼風に任せる。あいつらは二人で一人らしい。互いが互いを助け合える。あとは、少しでも長く一緒にいてくれれば、それでいい。

 ……さて、あたしはもう一人の相棒との約束を果たそうか。

 水面にマジックアームを突っ込み、浮かんでいたノムラを引っ張り上げる。

「……ぐはっ!! カハッ……!!」

 榛名のマジックアームによって水面からひきずり出されたノムラは、生意気にも、雪緒と同じような咳をしてやがった。

「カハッ……カ……」
「おい」
「ゲホッ……ゲホッ……摩耶……助け……」

 寝言を言うノムラを、自分の目の前まで持ってくる。右手で襟を掴んでねじり上げ、マジックアームを離した。

「言ったよな。タダで済むとは思ってねぇよな」
「ま、待……」

 ノムラの返事を待たず、左の拳でノムラの頬を殴り、振りぬいた。『ガッ!?』という悲鳴と共に、ノムラの鼻から汚い血が飛んだのが見えた。

「これは五月雨の分だ」
「ハァ……ハァ……たしゅ」

 鼻に拳を打ち据え、捻り込む。鼻は潰れ、拳を離すと、大量の鼻血が一気に流れでた。

「ちょっとぬるいけどな。比叡の分はこれで勘弁してやる」
「ごふっ……ごふ……こふー……」
「右耳と左耳、いらねーのはどっちだ?」
「へ……へ?」

 間抜けに開いた口に、左拳を思い切りぶち込む。折れた歯が拳に食い込む感触があったが、不快感以外に感じるものはない。ノムラの口から拳を離すと、ポロポロと歯が何本か落ちていった。汚え。

「特別に口にしといてやった。金剛の分だ」
「ひゅー……かひゅー……」
「……で? 右耳と左耳、どっちがいらねーんだよ?」
「ひ、ひっ……」

 ノムラの両手が力なく上がり、自分の顔の前で、私に手の平をむける。あたしの拳をなんとか防ごうとしているようだが……あたしはマジックアームを再び起動し、それで左右からノムラの両手を掴んで、思い切りねじり、締め上げた。

「あぎゃぁぁあああああ!!?」
「うるせーよ」
「あぐッ……がぁぁああああああ!!?」

 ウィンウィンと鳴り響くアームの稼動音の音が大きく、激しい音になった。ノムラの身体を無理な方向に捻じ曲げ、負荷がかかった証拠だ。だが構わない。思い切りノムラの両腕を捻りあげる。

 涙目で悲鳴を上げるノムラの腹に、思い切り左拳を突き刺した。

「ごぶっ……!?」
「那智の分だよ」
「ほふ……ほぅ…
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