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俺の涼風 ぼくと涼風
番外編
ぼくの決意とワガママ
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子もなければ、笑いをこらえてる様子もない。ホッと一安心して、再び涼風の頭に触れた。

――だから涼風……

 涼風のやわらかいほっぺたに、右手で優しく触れる。『んん……』と声を上げた涼風は寝返りを打ち、顔がこちらを向いた。ほっぺたに触れるぼくの手を、下敷きにした。

「……!?」
「ギリっ……!!」

 ぼくの右手に、涼風の歯ぎしりの感触が走った。涼風のほっぺたはとても心地いい。あたたかいほっぺたが、ぼくの右手を包み込む。ちょっとびっくりしたけれど、そのあたたかさはとても心地よくて、いつまでもいつまでも、触っていたい。

――助けて

 ……でも、そう遠くないいつか、ぼくは、このほっぺたに触れられなくなる。

 自由になっている左手を動かし、涼風のあたたかい右手に触れた。その手もとても温かくて、触っていて胸がいっぱいになる手で……ずっとずっと、繋いでいたい手で……

――ぼくを助けて

 でもその手も、いつの日か、離さなきゃいけない手で……

「……涼風」

 目に涙が溜まってきた。じっと見つめる涼風の顔が滲んでくる。鼻が垂れてきて、息がしづらくなってきた。

「けふっ……すずか……ぜ……」
「……」
「涼風……すずかぜ……」

 ずっと涼風の隣りにいたいのに……こうやって、ずっと手を繋いで、ずっと、一緒にいたいのに。

「涼風……ひぐっ……」
「……」
「一緒に……けふっ……ずっと一緒に、いたいよ……」

 ずっと隣にいたいのに。憧れの涼風の隣で、ぼくも涼風と、ずっと一緒に、笑いたいのに……守りたいのに。手を繋ぎたいのに。

「涼風……ひぐっ……」
「……」
「涼風と……離れたくないよ……一緒に、いたいよぉ……」
「……」

 死にたくないよ涼風……ずっと、涼風と一緒にいたいよ。

「守るから……ぼくが、ひぐっ……ずっと涼風のこと、守るから……」
「……」
「だから、助けて……ぼくを助けて……一緒にいさせて……涼風ッ」

 助けて涼風。ぼくは、ずっと手をつないでいたい。一緒にお菓子を食べて、幸せを感じて、そして一緒に本を読んだり、元気なきみに振り回されたりしたいんだ。

 もう、あんな苦い薬も飲みたくないよ……『艦娘になるため』って自分に言い聞かせるのも疲れた。死にたくないよ……一緒にいたいよ涼風……

「こわいよ……死にたくないよ……ひぐっ……一緒にいたいよ……」
「……」
「すずかぜ……助けて……けふっ……助けてよぉ……すずかぜ……っ」

 涙が枕にぼろぼろとこぼれ落ちた。すやすやと眠る涼風の寝顔が、遠く離れた場所にあるように感じた。鼻水が止まらない。咳き込んで、うまく呼吸も出来ない。

 ……怖い。怖いよ。涼風から離れるのが怖い。死ぬの
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