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俺の涼風 ぼくと涼風
番外編
ぼくの決意とワガママ
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れる涙を我慢出来ずにポロポロと流しながら、涼風は、ぼくに昔の事を話してくれた。ぼくの想像をはるかに超えた過酷な過去に、涼風は苦しめられていた。4人の仲間の死に責任を感じて……一人の男の影にずっと苦しめられて、涼風はずっとこの鎮守府で、一人で震えて生きてきたようだった。

「ん……」

 ぼくの胸の中から、涼風が離れた。ぼくの手を離して寝返りをうち、仰向けになった涼風の寝顔は、本当に綺麗だ。

 今、ぼくの隣で、心から安心しきった寝顔をぼくに向ける涼風は、過去の話をしている間、ずっと……ずっと怯えた顔をしていた。

――あたいが、仲間を殺しただなんで、知られたくなぐで……
  知られたら嫌われそうで……

 そう言ってビクビクと肩を縮こませ、ぼくの手をギュッと握り、必死にぼくと一緒にいたいと訴える涼風を見て、ぼくは、二人でデートした時に出会った、今川焼きの素敵なお姉さんの言葉を思い出していた。

――守ってやんな!

 あの瞬間、ぼくの胸の中に、使命感のようなものが芽生えた。

――ここにいられる間は、世界で一番大切な涼風を守る

 今、ぼくの隣で、半開きの口からよだれを垂らしつつ、幸せそうに眠る涼風。彼女は、『自分が仲間4人を沈めた』という間違った罪悪感を捨て去った。彼女を苦しめていた鎖の一つは、無事に今日、外れたみたいだ。

 でも、涼風を縛る鎖は、もうひとつある。

――俺の涼風……俺だけの……涼風ぇぇぇえええ

 涼風をここまで苦しめた元凶の男の存在は、まだ解決してない。脱獄したという話だから、いずれ涼風の前に姿を表すのかも知れない。

 いつもあんなに元気に輝いてる涼風から、笑顔を奪った男。その男がもし再び、涼風の前に姿を見せた時は……ぼくは、絶対に涼風を守る。

――だから……

 涼風の、無防備な左手を握った。涼風の手はいつもあたたかい。涼風はいつも『ゆきおの手、あったけー』て笑顔で言ってくれるけど、ぼくから言わせれば、涼風の手の方があたたかい。まるで、優しくて元気な涼風本人みたいだ。

「……涼風」
「んー……むにゃ」

 涼風の顔を覗き込み、その綺麗な顔を眺めた。頭にふらふらと手が伸び、なでてしまう。

「ん……」

 涼風……ぼくは、涼風を嫌いになったりしないよ。二人で一人の……あこがれの涼風を嫌いになんてならないよ。ぼくは、ずっと涼風を守り続ける。

「だから安心して。ぼくは、涼風の隣りにいるから」
「……」
「ぼくは、涼風を守るよ。その男からも、がんばって守るよ」
「……ギリッ……!」

 そんな恥ずかしいことを口ずさんだけど、涼風の歯ぎしりが聞こえたことで我に返った。今のつぶやき、聞かれてないかな……そう思い注意深く寝顔を伺うけれど、起きた様
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