23. 涼風。……と、ぼく。
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ッ!?」
「キャッキャッ」
いつものごとく、潜水艦のみんなのテーブルからは阿鼻叫喚が響き渡り、食堂内は笑いに包まれた。提督はとても優しい人だけど、潜水艦のみんなにだけは、妙に手厳しいのはなぜだろう?
「それじゃ、今日もよろしく頼む! 朝飯を食ったら、各自任務についてくれ!!!」
再び提督が、カンカンカンとフライパンとお玉を鳴らし、食堂内に喧騒が戻った。がやがやと騒がしい食堂内で、提督が自分の朝ごはんを鳳翔さんから受け取っているのが見える。その途端、『提督、こちらへ!!!』『わ、私達のテーブルにきてもいいのよ!?』『ヘーイていとくー!! ワタシの隣が空いてマース(お姉様ッ!?)』と方々から熱烈ラブコールを受け、提督は苦笑いを浮かべていた。
潜水艦のみんなの悲鳴にひとしきり笑った後、私は摩耶姉ちゃんのお茶碗をしげしげと見つめた。
「……なー、摩耶姉ちゃん」
「あン?」
摩耶姉ちゃんのお茶碗は、炊きたてご飯の上に、とんかつソースがたっぷりかかり、黄身と白身がまぜこぜにされた目玉焼きが乗っかっている。
――とんかつソースをたっぷりまぶした目玉焼きを、
ご飯に乗せて、ぐちゃぐちゃに混ぜて食べるのが普通なのっ!
なんだか懐かしいセリフを思い出した。
「それさ、うまいのか?」
「当たり前だろー? 正直言って、これ以外の食い方は邪道だと思うねこの摩耶さまはッ!」
「だったらさ! あたいもやってみる!!」
「おう。やってみろやってみろー!」
私は自分の目玉焼きを見た。幸いなことに、私の目玉焼きはまだ白身も黄身も充分残ってる。私はその目玉焼きにとんかつソースをかけ、自分のご飯に乗せた。
「そこからなぁ。黄身と白身をぐちゃぐちゃにしろ」
「あいよー!!」
榛名姉ちゃんが笑顔で私を見守り、そして摩耶姉ちゃんの厳しくも優しい指導を経て、私の艦娘人生初の、目玉焼きとんかつソースご飯乗せが完成した。ほかほかご飯の上に乗ったとんかつソースの目玉焼きは、周囲にとんかつソースのいい匂いを撒き散らし、私のお腹にダイレクトなダメージを与えてきた。
「んじゃ、いただきまーす!」
「食え食え〜」
黄身と白身をぐちゃぐちゃにかき混ぜたお茶碗の中は、正直なところ綺麗だとはいえない。だけど……
「……ん! おいしい!!」
「だろー? やっぱ目玉焼きにはとんかつソースだよな〜?」
「あたいは塩コショウ派だけど……でもこれもうまい!!」
これが意外と美味しい。とんかつソースの甘酸っぱさと、香辛料のピリピリ感が、いい感じにご飯と目玉焼きに合う。ソースが染みたご飯と、目玉焼きを一緒に食べる。黄身のトロトロ感と白身のプリプリ感、そしてご飯とソースのコンビネーションが抜群だ。
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