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提督はBarにいる。
提督の挑戦状・1
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 う〜……と唸り続けている球磨の隣で飲んでいた多摩が、手を挙げた。

「提督、多摩が答えてもいいかにゃ?」

「む、お前は英語得意だしなぁ……奢りの権利は無いが、答えは聞いてやる」

「残念だけど……仕方ないにゃ」

 多摩は俺にぼそぼそと耳打ちする。その答えは見事に正解。俺の引っ掛けにも掛からず、正解を導き出していた。

「正解だ、多摩」

「やっぱりにゃ。ねーちゃん、見事に提督の思うツボにゃ」

「クマぁ!?どういう事クマ!教えろクマ〜っ!」

「ねーちゃん……あんまり、揺すらないで…にゃ」

 ガタガタと揺すられる多摩。飲んでる状況下で頭をシェイクするのは止めてやれ、球磨。

「答えはなぁ……rain coat(レインコート)。つまりは合羽だ」

 そう、俺が先にトラとゾウを例題にしたのが既にトラップ。その例題を出された時点で球磨が勝手に『生き物の名前を英語に直すんだ』と勘違いした為、球磨が悩んだ訳さ。つまりは先入観を持ってしまった球磨の自爆だな。

「うがああぁぁぁ!悔しいクマ〜!」

 頭をバリバリと掻き毟る球磨。そんな様子を苦笑いしながら眺めているのは妹の多摩と木曾だ。本当は北上と大井も一緒に来る予定だったらしいが、あいつらは今ヨーロッパに遠征中だからな。

「木曾ぉ〜、姉ちゃんの仇を取って欲しいグマァ〜っ!」

「うわっ、ちょっ!汚ねぇ!姉ちゃん鼻水と涙が制服に付いちまうって!」

 何だかんだ言いつつ、木曾がリベンジをかけて俺の問題に答える事になったらしい。……ちょっとからかってやるか。

「なら、木曾にも球磨と同じような英語のテストで行くか」

「お、おぅ!どんとこい!」

「んじゃまずは小手調べ。英語で頭は?」

「ヘ、ヘッド!」

「じゃあ顔は?」

「フェイス!」

「胸は?」

「バ、バスト!」

「お腹は?」

「ウェスト!」

「じゃあ尻は?」

「ヒ、ヒップだ!」

 生真面目な木曾め、完全に俺の術中に嵌まってやがる。顔が真っ赤になって照れてるのがいい証拠だぜ、ケケケ。

「じゃあ最後な。……アソコは?」

「はっ?」

「だから、英語でアソコは?」

「なっ、なっ、なっ、ななな、何言わせようとしてんだよこのスケベ親父!」

「あん?何勘違いしてやがる。英語でアソコはthere(あそこ)だろうが。ナニと勘違いしてんだオイ」

 嵌められたのだと気付いた木曾の顔が、どんどん赤くなっていく。

「おやおやぁ?木曾、お前アソコって言われて何を……いや、ナニを想像したのかな?俺をスケベ呼ばわりしてたが、お前の方がよっぽどのムッツリスケベじゃねぇか、えぇ?」

 もはや茹で蛸のように赤く
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