681部分:第五十三話 孟獲、七度捕らえられるのこと八
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第五十三話 孟獲、七度捕らえられるのこと八
「何かあるのか、それは」
「あったらそれでやらせてもらうけれどな」
「尻尾にゃ!」
孟獲が言うのはそこだった。
「尻尾にゃ、尻尾が悪霊の力の源にゃ」
「尻尾!?」
「象の尻尾に」
「そうにゃ、そこを打てば」
どうなるかというのである。
「悪霊の力は消えるにゃ。それで終わりだにゃ」
「わかったわ」
「それなら」
神楽と関羽が頷く。それでだった。
二人はその象の後ろに回り込んだ。そして尻尾を見るとだった。
「二本あるわね」
「赤と青と」
二人の見た通りだった。巨象の尻尾は二本あった。
それを見てだ。いぶかしんですぐに孟獲に問うた。
「どっちなの、それで」
「悪霊の力の源は」
「どっちかなのにゃ」
こんな返答だった。
「どっちかを打てばそれでパヤパヤは元に戻るにゃ」
「それで間違った方を打てば」
「その場合はどうなるのだ」
「その場合はもっと大変なことになるにゃ」
孟獲も三人と共にだ。巨象の周囲を囲んでいた。そのうえで二人に話すのだ。
「悪霊の力が強まってパヤパヤがもっと大きくなって凶暴になるにゃ」
「それって洒落にならないんだけれど」
「今よりもか」
馬岱と魏延がそれを聞いて言う。
「それなら余計に」
「失敗は許されないぞ」
「それでどっちなのかしら」
「どちらの尻尾だ」
一行はそれがわからなくなっていた。巨象を囲みながら困惑する。しかしここで、であった。あの二人が来て言うのであった。
「待ってよ、確か孟獲ってさ」
「パヤパヤの尻尾噛んだ」
チャムチャムとタムタムが来た。そうして一行に話すのだった。
「それなら歯形がついてるわよね」
「まだ尻尾に」
「あっ、そういえばそうにゃ」
言われてそのことを思い出す孟獲だった。彼女の周りには既に三人が増殖してだ。彼女を護っていた。
「今思い出したにゃ」
「それならそっちを打てば」
「それでいい」
「そう。それなら」
ミナが動いた。彼女もまた巨象の後ろに回り込む。そうしてだった。
弓を斜め上に構える。象の尻尾に。その一方、赤いものを見てだ。
「あれね」
歯形をはっきりと見た。もう間違えようがなかった。
そのうえで弓矢を放つ。光が象の尻尾に迫る。
そしてだ。その尻尾を見事に射抜いたのであった。
これで決まりだった。巨象は咆哮をあげるとそこからすぐに姿を小さくさせて色が戻ってだ。元のパヤパヤになったのであった。
孟獲はそれを見るとだ。泣きながらパヤパヤに抱きついて叫ぶのだった。
「よかったにゃ!もう二度とこんなことはしないにゃ!」
これで一件落着であった。そうしてだ。
孟獲はだ。落ち着きを取り戻した劉備達にだ。こう言うのだっ
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