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勇者番長ダイバンチョウ
第20話 正義と悪の大決戦!悪党達を舐めるんじゃねぇ!!
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る術は、もう二人には残されていなかった。

【こんな所で・・・こんな所でくたばって溜まるか! お袋を・・・弟を残して・・・俺はまだ死ねねぇんだ!】
【それは・・・私とて同じだ・・・私自身の目指す正義の為にも・・・偽りの正義に負ける訳には・・・だが、もう我々には打つ手が―――】

 体は満身創痍でも心はまだ諦めてはいない両者。だが、その思いとは対照的にあの大軍勢に対抗する手段がないのでは、ただ倒されるのを待つだけでしかない。

(どうしたんだ、番? こんな事で諦めるなんて、君らしくないじゃないか?)
【声・・・今の声は!!】
【守・・・だが、まだ守はまだ意識が戻ってない筈】

 自身の内部へ格納した守の声が番とイインチョウの脳裏に響き渡ってくる。
 その時だった。イインチョウとその内部に格納されていた守の意識が混ざり会い、一体化しだしたのだ。

【これは! 私の意識と守の意識が混ざり会い、一つになっていく】
【イインチョウ。君なら知っている筈だ。僕達にもあれが残ってる筈だよ】
【馬鹿な、ジャスティスローダーは既に全機配備された筈。余った機体は残ってる筈が・・・そうか!】
【そう、残ってるんだよ。試作型の『0』号機がね】
【何だ? まだ残てんのかよ。その・・・なんたらローダーって奴】

 僅かだが、この状況を好転させる方法があるのならそれに掛けるしかない。今は藁に縋りたくもなる思いなのだが。

【だが、0号機は今まで誰にも扱う事が出来なかったそれを、私が扱う事が出来るのだろうか?】
【大丈夫さ。僕も居るんだ、自信を持とう。僕達なら出来る!】
【守・・・分かった、私は信じる。君と私自身を!】

 覚悟を決めたイインチョウの目に闘志が宿った。その熱き闘志はイインチョウの体を通してダイバンチョウにまでも伝わってくる程の熱量を持っていた。

【頼む、0号機よ。私と、守の魂に応えてくれ。来おぉぉい、ジャスティスローダー!!】

 


     ***




 本部内にて、ジェネラルは一方的な戦いを観戦していた。大軍勢を誇るキングジャスティスの群れ。その群れの前にダイバンチョウも裏切者のイインチョウも成す術なく痛めつけられている。

「戦力差は歴然です。我らの勝利は揺るぎない筈です」
「当然だ。我らは正義なのだ。負ける事は許されない。今此処で、悪の権化たるバンチョウ星人、並びに地球星人と裏切者の処断を行うのだ!」

 誰もがこの揺るぎない勝利を確信していた。戦力差は歴然、しかも相手は虫の息とまで来れば余程の者でなければ勝利を疑わないであろう。
 だが、予想外な事は何時いかなる時でも起こり得る。それが予想外なのだから―――

「ジェ、ジェネラル! 緊急事態です!!」
「何だ?」

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