ペルソナ3
1803話
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荒垣にとっては、10階層どころか5階層であっても未知の領域なのだから。
俺が……いや、正確にはゆかりがペルソナを使いこなせるようになった影響で殆どのシャドウを楽に倒してきたが、だからこそ余計に警戒心を煽るのだろう。
荒垣は、何だかんだと結構用心深いからな。
ともあれ、ここまで来て10階に向かわないという選択肢は存在しない。
もし10階に小ボスがいるのであれば、それこそ双方向ターミナルがある可能性も十分にある。
それを使えるようにすれば、明日からの探索では10階から探索が可能になる。
そうなれば、探索は非常に楽になるのは間違いない。
荒垣も覚悟を決めたのか、視線を向けると頷いてくる。
ゆかりも、いつでもペルソナを召喚出来るよう、握っている召喚器に力を込める。
……よく考えれば、荒垣は結局戦わないんだからそこまで緊張する必要がないと思うんだがな。
いや、寧ろ戦わないからこそ緊張してるのか?
そんな風に考えながら、10階に続く階段を上がっていく。
そして上がった先には……
「やっぱりな」
10階に上がるも、そこには敵の姿は一切ない。
いや、勿論今までも階段を上がってすぐに敵が出てきた訳ではない。
それこそ、階段を上がってすぐに遭遇した敵は死神だけだ。
だが……それでも、何となくこの10階には他の敵がいないと思うのは俺の気のせいだろうか。
ふと、スライムを使って探索してみては? という風に思ったが、銀色のスライムは見かけが人によっては嫌悪感を抱くような代物だ。
ゆかりがどう思うかは分からないし……ましてや、荒垣は本格的に俺達の味方になったという訳でもない。
空間倉庫や魔法についてはともかく、スライムは色々な意味で怪しいだろう。
桐条グループに俺の能力の多くを知らせるのは、出来るだけ避けたいと思ってしまうのは当然だろう。
「何がやっぱりなの?」
「いや、敵が……シャドウがいないのがな」
「それは今までも同じだったでしょ?」
ゆかりも俺と同じように考えたらしい。
この辺り、お互いに息が合ってきたと言ってもいい……んだろうか?
荒垣の方に視線を向けると、そちらでもゆかりの言葉に同意するようにと頷いていた。
「そうだな、取りあえず進むか。ここが小ボスのいる階層だとすれば、双方向ターミナルがあるだろうし」
それと、宝箱が1個だけというのも、もしかしたら小ボスの階層の特徴なのかもしれないな。
5階でも、宝箱は1回取るともう出てこないし。
そんな風に考えつつ10階を進む。
シャドウの類が出てこない状態で少し時間が経ち……
「あ、やっぱりね。アクセルの言う通りだったわね」
多少曲がっていたりはしたが、結局のところ殆ど一本道と
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