680部分:第五十三話 孟獲、七度捕らえられるのこと七
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第五十三話 孟獲、七度捕らえられるのこと七
孔明と鳳統がだ。眉をしかめさせて言った。
「こんな晴れに?」
「おかしいですね」
「雲一つないのに」
「それで雷なんて」
「何かあるのか?」
魏延も言う。
「よからぬことが」
「少なくともいいことではないな」
「そうなのだ。晴れなのに雷様なんてないのだ」
関羽と張飛もそれを言う。
「何もなければいいのだがな」
「ううん、不吉な予感がするのだ」
こう言っているとであった。そこにだ。
「にゃにゃーーーーーーーーーーっ!」
「逃げるにゃーーーーーーーーーーっ!」
「大変にゃーーーーーーーーーーーっ!」
孟獲達が来た。一行にぶつかり吹き飛ばしてしまった。
「な、何っ!?」
「何が起こったのじゃ!?」
倒れたが何とか起き上がり問う黄忠と厳顔だった。
他の面々も起き上がる。その彼女達に対してだ。
孟獲は狼狽しきった様子で。両手を振り回しながら一行に話す。
「パ、パヤパヤがにゃ」
「あの象さんがですか?」
「そうにゃ、悪霊を取り憑かせたらにゃ」
こう一行に話すのだった。
「化け物になって大きくなってそれでにゃ」
「悪霊」
「まさか」
それを聞いてだ。神楽と月の顔色が一変した。
「オロチが」
「刹那が。ここに」
「今パヤパヤは化け物にゃ!暴れ回って大変にゃ!」
「だったら」
それを聞いてだ。ミナが己の弓を構えて言う。
「すぐに退治を」
「パヤパヤに傷をつけたら許さないにゃ!」
それは絶対に許さない孟獲だった。
「そんなことをしたらそれこそにゃ」
「それならどうしろっていうのよ」
馬岱が眉を顰めさせて彼女に問う。
「傷つけたら許さないって」
「そもそもその象さんは」
「何処ですか?」
軍師二人が尋ねるのはまずはそこからだった。
「大きくなったとはいいますけれど」
「どれだけですか?」
二人が言うとだった。一行の前にだ。
密林の木々を遥かに超える巨大さでだ。漆黒の象が現れた。目は赤く牙が長く曲がっている。その象が出て来て彷徨するのだった。
その象を見てだった。軍師二人は。
「はわわわわ、大変じゃないですか!」
「あんな大きさだとちょっとやそっとじゃ」
「一人では相手はできないな」
それを言う関羽だった。
「どうすればいい、ここは」
「そうね。とりあえずはあの象を囲んで」
「それからじゃな」
黄忠は弓矢を、厳顔は巨大な砲を出していた。それが二人の得物である。
「本当にあれは一人や二人ではね」
「どうにもならんぞ」
険しい顔になってだ。こう話すのだった。
そしてここでまた。孟獲が言うのである。
「あれはパヤパヤにゃ。傷つけたら駄目にゃ!」
「それはわかったが」
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