第6話 その瞳は嫉妬の焔に焦がれて
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「モモに清楚ちゃんの歓迎会の事を教えたのは態とかのぉ?」
(清楚ちゃん?)
「ああ。これ以上は食い下がられる可能性もあるからな。次はシロウ自身に面倒を見てもらう」
意外と好い性格しているシーマに左様かと呟く鉄心。
ただ、
「ならお主自身で作った面倒事は自分で処理するんじゃぞ?」
「は?」
何を言われているのか理解する間もなく、シーマの背後から多くの生徒が詰めかけて来た。
「感動したぞ、君!」
「ファンになりたいからファンクラブを作る許可をくれないか!」
「来週の日曜日、私と七浜のホテル街でデートしない?」
「今日から私をシーマ様の女にしてください・・・!」
如何やら今の戦闘で、調子よくファンになったと自称する者達とよく解らない方向性で暴走する者達だった。
その後シーマは暫くの間、押し寄せて来た者達を抑えるのに時間を割かれる羽目となった。
ちなみに、とある一人のガングロ女子生徒がシーマを押し倒そうとタックルして来たが、それを躱して当身で気絶させたとか。
−Interlude−
とある事情で関西から関東の神奈川県川神市に引っ越して来た松永燕は、引っ越しの荷解きの大かたを終えて街を出て冬木に来ていた。
最初はとある事情―――――ある巨大企業のVIPから受けた仕事に役立たせるために周囲の散策を行おとした所で、財布から落とした一枚の写真をたまたま目に停めた人が写真に写る男の子を知っている事からいろいろあって此処に来たのだ。
「住所なんて知らなかったから会えるのはまだまだ先の事だとばかり思ってたけど、こんなに早く会えるかもしれないなんて・・・」
何時もの明るさを無意識に伏せて、緊張と期待が入り混じった表情で教えてもらった住所に近づいて行った。
「此処を右に・・・・・・って!?」
それは不意打ち。
角を曲がったところで、数年前から会いたいと渇望していた人物の背中が見えたのだ。
背中だけなら兎も角、あの赤銅色の髪は間違いないと判断するが、思わず隠れてしまった燕。
覗き見るように顔だけ出すと、如何やら買い物中の様で買い物袋を片手に持ちながら同じく買い物袋を片手に持つアラフィフの女性――――所謂近所のおばちゃんと談笑していた。
赤銅色の髪は勿論、横顔は昔の面影が有りながら、美形とは言い難いが十分イケメンに類する横顔に受け手を安心させてくれる笑顔――――間違いなく・・・。
「うわぁ!し、士郎だぁ!見ない間に身長もずいぶん大きくなってるし、何というか・・・・・・うん。凄くカッコイイ・・・っ!」
このまま覗き見ているなんて趣味も悪いし、元々会いたいが為に冬木まで足を運んだのだ。此処は偶然を装って出て
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