第三十九話 蒔かれた種
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住み自分達の土地としていた。
帝政ゲルマニアは彼らを征服しブリミル教徒化を行い、そしてかつて自分達が行ったようにスラヴ族の族長らに婚姻させゲルマニア化を図った。
現在、スラヴ人はゲルマニア人として今を生きている。
マクシミリアンは多民族国家であるゲルマニアの分裂を図る為、かつてのスラヴ人たちに民族主義を植え付けようとクーペを送り込んだ次第だった。
「今にもゲルマニアからの分離独立を図ろうとする者達ですが……」
「うん、どういった連中なのかな?」
「まず、現ゲルマニアの帝都が置かれます。帝都プラーカのスラヴ系チェック人」
「帝都が置かれている位だから、いい生活が出来ていると思っていたが」
「むしろ逆で、皇帝のお膝元だからこそ、ゲルマニア化してもスラヴ系とゲルマニア系で区別されているようです」
「なるほど」
「次にポラン地方のスラヴ系ポラン人」
「ヒポグリフの名産地で、軍事的にはヒポグリフを駆ったポラン騎兵が有名だな」
スラヴ人と一言に言っても様々な部族があり、それぞれの部族は独立独歩の精神が強い。
「御意……続きまして、パンノニア及びダルマチア方面のスラヴ人も良い返答が頂けました」
「拡張主義も困ったものだな」
パンノニア及びダルマチア方面は地球でいうバルカン半島辺りを指す。
「と言うより、彼らスラヴ人事態は同族同士が対立しあう気性が激しい部分があります。そんな彼らがいつまでもゲルマニアの支配に黙っているはずも無く、度々反乱を起こしては鎮圧される、といった事をここ数百年続けていたようです」
「そうか……また彼らが爆発しても僕達は動くことはできないし、さっきの話の様に爆発は小規模ですぐに鎮圧されると予想される。時間をかけて確実に、連鎖的に大爆発するように仕向けてくれ」
「スラヴ人たちの支援をなさいますか?」
「資金の援助のみね、武器は足がつくから駄目だ。ゲルマニア人とスラヴ人がお互い憎しみ合ってくれればトリステインの益になる」
「御意」
「言わずもがな、撲たちが工作した証拠は絶対に残さないように。資金もよく洗浄してトリステインから流れてきた証拠を掴ませない様にね」
「御意、お任せ下さい」
「国内の分離主義者は排除するが、外国の分離主義者は大いに支援する。でも、僕達自身は彼らスラヴ人とは関わりあいたくないのが本音だ。その辺は上手くやってくれ」
「フフフ……では失礼します」
クーペはニヤリと笑い退室した。
これらの蒔かれた種は数年後芽吹き、ゲルマニア分裂へと繋がる。
マクシミリアンはクーペが退室した後、政務を行いながら、
「これは地獄行きだな」
と呟いた。
だが同時に
『為政
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