第三十九話 蒔かれた種
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ランソワーズなどは如何でしょう? 来年で六歳になります」
「もう、そんな歳か。しかし、あまりラ・ヴァリエール公爵に入れ込むと、よからぬ嫉妬を覚える輩も現れかねない。今回の内乱で多くの貴族を排除したとしても、な」
「そういう物ですか」
「そういう物だ。ともかく友人候補の件は保留にしよう」
「分かりました。とはいえ、結婚すればルイズは義理の妹になります。アンリエッタとは、まったく顔を合わさないようにする事は出来ませんし、子供同士、すんなりと仲良くなるかもしれません」
「我々が、どうこうするよりも、本人次第という訳か」
「そうですね」
……話題は変わり。
「父上、実は面白いものが手に入ったのです」
「面白いものとは一体なんだ?」
「これをご覧ください」
マクシミリアンは数枚の羊皮紙をエドゥアール王に渡した。
「……これは」
「クルデンホルフ大公が反乱軍に献金していた動かぬ証拠ですよ」
「良く見つける事ができたな」
「先日逮捕した、魔法研究所のゴンドランが責め立てたら、そいつの場所を吐きました」
「拷問したのか?」
「痛覚を消しダルマになった姿を鏡で見せたら、狂ったように吐きましたよ。後でちゃんと複製で手足を元に戻しましたがね」
「……悪趣味だな」
「僕も一時は危なかったんです。『おあいこ』ですよ」
敵には一切容赦しない。
エドゥアール王は、息子にその片鱗を見て、少し心配になった。
とはいえ、その気質のお陰で、有力諸侯の弱みを見つけることが出来て、マクシミリアンに強いことが言えなかった。
「それで、クルデンホルフ大公は取り潰すのか」
「それも一時は考えましたが。相手は一代で大公まで登り詰めた男です。取り潰して諸外国に流出させるより、潰さずに完全な従属国とし、徹底的に絞り尽くすのが妥当でしょう」
「具体的には?」
「年に数千万エキューの上納金。まぁ、上納金の正確な額はクルデンホルフ大公国の帳簿などを拝見して決めるとして、他に空中装甲騎士団など軍隊を解体させ、代わりにトリステイン軍の駐留させます。駐留しているトリステイン軍の維持費はクルデンホルフ大公国に支払わせます。万が一大公が不穏な動きを起こせばそれを口実に攻め滅ぼしましょう」
「それは……やりすぎではないか?」
エドゥアール王は呆れたように言った。
「動かぬ証拠はこちらが掴んでいますし、『敵』には一切の容赦も必要ないでしょう、問題ありません。話は戻りますが、大公に誰か縁者を人質として要求しますか?」
「……」
後日、クルデンホルフ大公はマクシミリアンの要求を泣く泣く受け入れた。代わりに反乱軍への献金は
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