第四百六十三話
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第四百六十三話 小田切君の夏
小田切君はお昼は博士に話した通り素麺だった、その素麺を作りながらタロとライゾウにこんなことを言った。
「夏はやっぱりね」
「素麺か」
「それだっていうんだね」
「何といってもね」
小田切君は素麺を熱湯の中に入れつつ二匹に応えた。
「あっさりしていて食べやすいから」
「食べやすいのはいいけれどな」
ライゾウはにこにことしている小田切君に突っ込みを入れた。
「栄養はあまりないだろ」
「素麺は」
「そうだよ、実際ないだろ」
「うん、澱粉だけだよ」
そこにある栄養素はとだ、小田切君も答える。
「それをおつゆでさらっとだから」
「やっぱり栄養ないよな」
「そうだよね」
ライゾウだけでなくタロも言う。
「素麺ってそこが問題だよね」
「そうだよな、そればっかりだとな」
「だからね」
小田切君もわかっているという顔で二匹に返した、もう茹で終わっていて麺をざるの中に入れて
水で冷やしている。
そして冷やした素麺をだった。
出した細かく刻んだトマトやセロリ、レタスを中心としたサラダの中に入れてドレッシングをかけてから言った。
「これでいいよ」
「レタスかよ」
「それにしたんだ」
「そう、お豆腐も食べるし」
冷奴である。
「栄養は充分だよ」
「ただ素麺を食うだけじゃなくてか」
「サラダにして食べるんだね」
「そうだよ、これはいけるよ」
小田切君はその素麺を二匹にも出しつつ話した。
「食べようね」
「サラダか、いいな」
「ビタミンも豊富だしね」
「これは食ってもいけるな」
「お豆腐もいいね」
「そう、僕も考えたんだ」
この辺り博士の影響だろうか。
「ただ麺類を食べるだけじゃなくて」
「サラダと一緒にする」
「それもナイスアイディアだね」
「じゃあ食べようね」
そのサラダに入れた素麺をというのだ。
「野菜がやけに多いけれど」
「サラダの中に素麺があるよな」
「もうそんな感じだね」
見ればそんな感じだった、だが小田切君と二匹はその素麺を食べはじめた。サラダの中にあると言っていいそれを。
第四百六十三話 完
2017・7・17
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