679部分:第五十三話 孟獲、七度捕らえられるのこと六
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第五十三話 孟獲、七度捕らえられるのこと六
「色々と楽しいこともあったしな」
「無茶苦茶なこともあったけれどなのだ」
「そういえば近頃」
魏延は腕を組んでだ。こんな話をはじめた。
「その方々が支えている何進大将軍と宦官達の対立がさらに激しくなっているそうだな」
「その様じゃな」
魏延の言葉にだ。厳顔が応えた。
「それで都は大変なようじゃな」
「天下は今は各州によってばらばらになっているわ」
黄忠はそのことを憂いていた。
「牧のいない州は何かと困ったことになっているわ」
「賊も増えている」
「確かな牧のいる州はいいんだけれどな」
趙雲と張飛も憂いのある顔を見せている。
「天下は不安定になってきている」
「それで肝心の都がそれじゃあな」
そんな話をしていたらだった。また孟獲が捕まった。だがやはり諦めなかった。それでまたしても解き放たれる。これでこの日は終わった。
その次の日の朝。孟獲は三人に対して叫んでいた。
「悔しいにゃ!」
「そうにゃ、七度も捕まったにゃ」
「何か凄い流れだったにゃ」
「あの手この手で」
「このこと、絶対に忘れないにゃ」
怒ることしきりの孟獲だった。
「こうなったらにゃ」
「どうするにゃ?それで」
「美以様、それで」
「何をするにゃ?」
「こうなったら悪霊を呼ぶにゃ」
こんなことを言い出すのであった。
「そしてそれで奴等に復讐するにゃ」
「悪霊っていうとあれにゃ?」
「あっかんこーの神様に御願いして」
「そうするにゃ」
「その通りにゃ。では早速そうするにゃ」
まさに思い立ったらすぐにであった。彼女は三人を連れて密林の奥に向かう。ここでもタムタムとチャムチャムは留守番であった。
「何か変なことになった?」
「けれど大丈夫」
兄は妹を見下ろしてこう話した。
「孟獲悪い奴じゃない。大したことにならない」
「だといいけれど」
「この話もうすぐ終わる」
タムタムはここでこうも言った。
「それも幸せに」
「そうなの」
「そう。タムタムわかる」
また妹に話すのだった。
「だから安心していい」
「タム兄ちゃんがそう言うのならね」
チャムチャムもそれで納得するのだった。そうしてだった。
彼等は宮殿で待ち続けた。バナナやマンゴーを食べながら。
そして孟獲はだ。白い石が何十段も積まれところどころに何かの動物を思わせる像が飾られている場所の真ん中、一番上に登ってだ。そうしてだった。
パヤパヤをそこに置きだ。両膝をついて腰を完全に曲げて両手を投げ出してだ。そのうえで恭しく礼拝しながら言っていた。
「うらうらうら」
「うらうらうら」
「うらうらうら」
三人がまず詠唱していた。そしてだ。
孟獲がだ。槍を右手に持って立
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