歴史に名を刻む者
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ダー、シュート。どれも一級品であり、打ち崩すのは至難の技。
その投手をいかにして剛は打つのか、ますます興味がそそられる。
今では珍しくなった振りかぶっての投球。ゆったりとしたフォームから足が地面に着こうとしたその時、剛に動きがあった。
「「「「「あ!!」」」」」
思わず声が出た。初球から149kmのストレート。それに対し剛が繰り出した策はなんとセーフティバント。
コッ
三塁線にキレイに転がっていく打球。三塁手はそれに猛ダッシュで突進し、素早く一塁にジャンピングスロー。
『セーフ!!』
だが、一塁手が捕るよりも早くヘッドスライディングで飛び込んでいた剛はもちろんセーフの判定。楽々一塁を陥れたその姿に、呆然としている穂乃果たち。
「驚いた?相手の方が遥かに格上。ならばと初回の先頭バッターがセーフティを仕掛けてくる。しかも剛さんは50m5秒9。転がした場所もライン際ギリギリ、そして速度を落とすことないヘッドスライディング。まさしく完璧な初手と言えるわね」
これでノーアウト一塁。続くバッターはすでに送りバントの構え。当然ここはチャンスを広げるために定石を使ってくる。そう思っていたが・・・
「走ったわ!!」
「「「え!?」」」
カメラが切り替わる直前、絵里が剛が動き出したことに気付いた。クイックからスライダーを投じた牧村。捕手はそれを受けると崩れた姿勢から二塁に送球するが、剛はそれよりも先にベースへと到達し盗塁を決めていた。
「ここで盗塁・・・」
「しかも決まっちゃってるよ・・・」
セオリー度外視の戦法に言葉を失っていると、続く投球で動き出す直前、リードを取っていたランナーの頭が画面からいなくなる。
「また!?」
「さすがにそれは!!」
にこの話ではこの捕手もプロで高卒一年目から活躍する選手。その人物から二盗どころか三盗しようというのは無謀すぎる。そう思っても仕方はないが・・・
『セーフ!!天王寺三堂学園斉藤から本日二つ目の盗塁!!』
剛は三塁へ、それも二盗を決めた時よりも早く到達し盗塁を決めていた。
「剛さんは二盗よりも三盗の方が得意なの。一塁より二塁の方がリードを大きく取れるからね」
「それに剛様は三盗の時はフライング気味に走り出すんです!!セカンドショートが入るのに時間がかかる分それを行うことができるんです」
実際二盗はできないが三盗はできるものも多くいる。そんな解説を小耳に挟みつつ、少女たちは画面に集中している。
「この場面では何をするのが一番いいのでしょうか?」
「スクイズもありだけど、まだ初回やしね」
「もちろん三堂学園はスクイズも強打も考えているでしょうけど、何もよりも警戒しているのはホームスチールだと思いますよ」
「「「ホ
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