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俺の涼風 ぼくと涼風
22. 本当のぼく
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は私を助けてくれたんだ。ゆきおは私の艤装を装備出来る艦娘になったんだ。ウソなんかじゃないんだ。ウソなんかじゃないんだ。

「そんなわけあるか!!! ゆきお!!! 返事しろゆきお!!! ゆきお!!!」
「……ッ」
「あたいとずっと一緒だって言ったじゃねーか!!! 二人で一人って言ったじゃねーか!!! どこにいるんだよ!!! ゆきお!!!」

 涙が我慢出来ない。鼻水が出てきた。ゆきお。返事して。そして摩耶姉ちゃんと榛名姉ちゃんに、笑顔で『ウソツキ』って言わせて。私の前に姿を見せて。

 嫌だ。ゆきおと離れるなんて嫌だ。二人で一人なのに。ずっと一緒だって言ってくれたのに。私とゆきおは、ずっと一緒のはずなのに。

「ゆきおはあたいと二人で一人なんだ!!! 一緒にいなきゃいけないんだ!!! ゆきお!!! 返事してゆきお!!! ゆきお!!!」

 ゆきおは、返事をしてくれない。

「ずっと一緒ってウソだったのかよ!!! 二人で一人じゃなかったのかよゆきお!!! ゆきおおお!!!」
「……ッ」
「ゆきおおおおおお!!! ゆきおぉぉおおおおおお!!!」
「……」
「ぁぁぁぁあああああああ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛あ゛!!! ゆきおぉぉおおお!!!」

 私は、摩耶姉ちゃんにしがみつき、摩耶姉ちゃんに抱きしめられ、その場で、ずっとゆきおの名を呼びつづけた。

 それでも、ゆきおは返事をしてくれなかった。



 しばらくして、私達は鎮守府へと戻った。摩耶姉ちゃんは泣き疲れた私をおぶって、何も言わず、黙って戻ってくれた。

 気持ちが落ち着いた所で、私は一人で、軍病院のゆきおの病室へと足を運ぶ。階段を歩いて上り、ゆきおの部屋の前に到着した。榛名姉ちゃんが私に付き添おうとしたが、それを断り、一人でゆきおの病室のドアの前に立ち、ノックする。

――はーい 涼風?

 ゆきおの返事はなかった。その代わりドアが開き、中にいたらしい提督が顔を見せた。

「……涼風か」

「提督」

 提督の目は、真っ赤に腫れている。いつもに比べ、ひげが少しだけ伸びていた。両手の拳には、昨日散々ドアを殴ったせいか、血が滲む包帯が巻かれていた。

 提督に促され、ゆきおの病室に入った。改めて見ると、いつもゆきおがいたベッドは、よく病院に置いてあるような、色々な機能を持ったベッドであることがよく分かる。

 そのベッドの上に、ゆきおが寝かされていた。

「ゆきお……」

 いつもの真っ白い室内着ではなくて、クリーム色の簡素なワンピースのような服を着ているゆきおは、包帯こそすべて外されているが、全身は傷だらけだった。ノムラに殴られた痕だろうか。顔中に赤い傷ができている。きっと痣もひどかったんだろうけど、お化粧でもしているの
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