第一章 ハジマリ
第30話 再戦VSザ・デッド――試合開始
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でしょうか!?』
突如として動きだしたザ・デッドの激しい攻撃に、アルもたまらず声のボリュームを上げる。あまりの衝撃に起き上がる事が出来ない天馬に、神童とアステリが駆け寄り、声をかける。
「天馬、大丈夫!?」
「あ…………あぁ……っ」
「立てるか?」
「平気、です……それより、ボールを追わないと……っ」
天馬はそうか細く唱えると神童の腕を借り立ち上がる。ズキズキと痛む腹部に顔をしかめる天馬の横顔に、アステリはキッとザ・デッドの面々を睨み付けた。
「リーダー!」
フォンセの蹴り上げたボールは雷門イレブンの頭上高く舞い上がり、放物線を描く様に前線に上がっていたスキアへ飛来していく。
「させんぜよ!」
飛来するボールをスキアにキープさせてはならない。錦は宙に舞うボールを瞳に捉えると、地面を強く蹴りあげ、高く跳躍した。
「おや、空中戦ですか……? あんまり、高い所は好きじゃないんですけどねェッ!!」
そう叫んだ言葉とは裏腹にその表情からはこの状況を至極楽しんでいる様な、嬉々とした感情が溢れんばかりに露呈していた。宙を舞うスキアの体は一切の抵抗を受けず、まるで弾丸のようなスピードで飛来するボールの元へと辿り着く。
「マッドネス!」
「しまった!」
『スキア選手! 空中でキープしたボールをマッドネス選手にパス! 雷門、これには意表を突かれたか! 絶好のシュートチャンスだぁ!!』
スキアの繰り出したパスは雷門ディフェンス陣の頭上を越え、FWマッドネスの元へ真っすぐに飛んでいく。
白塗りの顔とは呼べない頭部ゆっくり上げると、目の前のゴールキーパー三国を見据えた。
間近で見る異形の姿に三国は息を呑むと、グローブをはめた両手を強く何度も叩き合わせ「来い!」と声を上げた。
三国の言葉にマッドネスは空気を吐き出す様な不気味な笑い声を発すると、全身に力を込め、背中から赤黒いオーラを発生させる。
「この光って……ッ」
「化身……!!」
マッドネスの体から発せられた赤黒いオーラは一つに固まり、人工的な光を放つ巨大な兵器の様な外見を持った化身へと変貌する。全体像を現したその化身の姿に、雷門は目を見張り驚愕した。
「あれは、パーフェクト・カスケイドの……!!」
ベンチにいたフェイ、そしてワンダバが声を上げる。
かつて、雷門イレブンが戦ったチーム【パーフェクト・カスケイド】。
メンバー全員がアンドロイドで構成されたと言う前代未聞のそのイレブンで、選手達が使用していた化身がこの《人工化身プラズマシャドウ》だった。
今まで見てきたどの化身と比べても異質なその外見に、当時の天馬達は驚き恐怖した。
それが今また、自分達の目の前にいる。
「どうして、あ
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