三話
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なことは知っている、
口に出そうにも喉元で止める。
ーー今何を思った、これは正義だ。正義の行為である。
間違えてなどいないと自分に言い聞かせ帝は怒りを抑えこもうとした。
「よもや、貴様のような人間に正義を語られるとはな…」
「考えを改めろ、今なら許してやる」
ーー許す?
ーー許すだと?
ーー認めろというのか、俺が間違えてると。
帝は一度身震いを起こして激昴を放つ。
「考えを改めろだと!?ふざけるな!貴様のような奴に何が分かる!」
帝は血色を変えて零司を怒鳴った。
「何も分からないさ、だがお前はいつもやり過ぎなんだ。行き過ぎた行動はいつかは自分の身を滅ぼすぞ?」
ーー偽善者が何を語るのだ。
零司は帝を改心させたいのだろう、しかしその言葉は帝へと届きはしない。
その言葉は彼を、彼の人生を否定しているからだ。
帝は小さく言葉を吐き出そうとするが、
「おい!零司!ここに居たのか!」
何者かが群衆を掻き分けて零司へと叫びかける。
零司の友人か、この騒ぎでは駆けつけるのも当然だろう。
確か、軍司怜央。だったか
零司とつるんでいる様だが目立つ行為はしていない。
あれは野次馬共と同じ中立だろう。
ーー…
ーーいや。
ーー奴は悪だ。
この男が零司を庇うのなら、それは悪を庇うと言うことだろう。
それでいい、これからも。
帝は怒りを消しかけて怜央という男に視線を向けた。
そして怜央が教室に一歩踏み入れると。
一瞬。邪悪な笑みを浮かべた。
怜央の足元にゴロリと手榴弾が転がる
「何!?」
零司が即座に動きを起こす。
怜央はいきなりの事に対応出来ず、立ち尽くすが零司が咄嗟に手榴弾を拾い上げ、窓へと向かい投げる。
帝は即座にリボルバーを構えて二発、弾丸を放つ。
鈍い音が廊下中に響きわたり、その場に零司は膝を着いた。
零司の左肩と左腿から真っ赤な血が散る。
「くっ…!」
零司は苦痛に顔を歪ませながらも帝を睨みつける。
「…貴様は甘いんだよ、そうやって戦いの途中に友人などに構ってるからこうなるのだ」
偽善者が、と吐き捨てると
零司は溢れんばかりの怒りの感情を込めて帝を睨み付ける。
まるで『殺してやる』と言わんばかりに。
「その怪我ではもう勝ち目は無いだろう、諦めろ」
ーー諦め、堕ちるがいい。
『偽善者にはそれがお似合いだ。』と
「今のも正義の為の行動か?もし爆発したらなんの罪も無い人たちすら巻き込んでたんだぞ?」
零司の呟きに帝は「ふん」と鼻を鳴らして語りかける。
「今のはレプリカだ、安心しろ俺は悪人だろうと殺しはしない。罪と同等の罰を受けさせるだけだ。無論、貴様の友人もその内の一人だ
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