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HAPPY SUMMER HOLIDAY
第一章
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             HAPPY SUMMER HOLIDAY
 夏になった、だが。
 三橋彩は地元の長崎でアルバイト三昧だった、それでだ。
 たまたまそのバイト先の喫茶店で一緒になっていた高校から一緒で大学で同じ学部の小柳由利香に休憩時間にぼやいてこう言った。
「夏休みって何?」
「アルバイトする時間でしょ」
 由利香は休憩室にある漫画雑誌を読みつつ彩に返した。胸がやけに目立つ小さな目のショートヘアの少女だ。少し肌が黒く髪の毛を金髪にしていてはっきりとした顔立ちの所謂黒ギャル系の彩とはかなり違う外見だ。
「そうでしょ」
「時間があるから」
「そう、じゃあ他に何するの?」
 由利香は自分の向かい側の席にいる彩に聞いた。
「時間一杯あるのに」
「そう言われたら」
「大学生だから宿題とかもないし」
「暇よね」
「凄くね」
 言いつつ雑誌を読み続ける百合香だった。
「だったらよ」
「その暇な時間を利用して」
「アルバイトじゃない」
 それに励むべきだというのだ。
「お金は出来るし将来の勉強にもなる」
「しかも暇潰しも出来る」
「こんないいものないじゃない」
 こう彩に言うのだった。
「そうでしょ」
「正論ね。けれど私としてはね」
 彩は眉を顰めさせて由利香に言った。
「夏休みは旅行とか夏祭りに行って」
「楽しい時間を過ごすっていうのね」
「そうしたいけれど」
「暑いわよ」
 由利香の返事は実にあっさりしたものだった。
「それも嫌になる位」
「旅行もお祭りも」
「街に遊びに出てもね」
 そうしてもというのだ。
「どっちにしても暑いわよ」
「暑い暑いばかりで」
「夏だからね」
「その夏に思い出を作るとかいう気持ちないの?」
「お金稼ぐのがいい思い出じゃない」
 またこんなことを言う由利香だった。
「そうでしょ」
「お金お金って」
「お金は大事でしょ」
「それはね」
 彩も否定出来ない、実際に彼女も何かとお金が欲しくてそれでこの店でのアルバイトをはじめて今に至るからだ。
「そうだけれど」
「別に働くの嫌でもないでしょ」
「それもないわ」
「だったらよ」
「ここはなの」
「働いてね」
 そしてというのだ。
「夏にを過ごしましょう」
「この夏ずっとなの」
「週一回でお休みあるでしょ、それにもう少ししたらね」
 漫画から目を離さず言う由利香だった。週刊少年漫画雑誌を読みながら。
「お盆でしょ」
「お盆休みね」
「うちのお店のね。十五日と十六日ね」
「そうね、その二日に」
「どっか遊びに行ったら?」
「そうしようかしら」
「例えば」
 ここで由利香が言う遊び方はというと。
「温泉とか」
「夏に?」
「私お風呂好きだから」
「私も好きだけ
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