21. 二人で一人(3)
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いつかのように、ゆきおのまっすぐな眼差しがニコッと笑う。言われたとおり、ゆきおがカーディガンをかけてくれたその瞬間、私の両肩はポカポカと温かくなった。
「へへ……いいの?」
「うん。ぼくは……もう、いいから」
「そうなのか?」
「うん」
一度ゆきおの手を離し、カーディガンの袖に自分の手を通す。なんとなしに、袖の匂いをかいでみた。ゆきおのカーディガンの袖からは、ほんのりと消毒薬の香りが漂っている。ゆきおとはじめて会ったときから、ゆきおと会う度にずっと感じていた、ゆきおのにおい。それが今、私の身体から、漂い始めた。
カーディガンを脱いだゆきおの肩は、さっきまでよりさらに細っこい。これだけあったかいカーディガンを脱げばけっこう寒いはずなのに、ゆきおの身体は、まったく震えてなかった。
「ゆきお?」
「ん?」
「ゆきおは寒くないのか?」
素朴な疑問を口にする。寒くて風邪ひくようなら、このカーディガンはすぐに返さないと……でもゆきおは、そんな私に対して、柔らかい笑みをふわりと浮かべた。
「ぼくはもう大丈夫だから。涼風と一緒にいるから、あったかいしね」
「……そっか!」
ゆきおが『私といると暖かい』と言ってくれたことが嬉しい。私も、ゆきおと一緒にいるとあたたかい。同じことを考えてくれていることが、私にはとてもうれしい。
「あとね。渡したいものがあるんだ」
「おっ! ゆきおもあたいに何かくれるのかっ!」
ゆきおが、右手を自分の室内着のポケットに入れ、ごそごそとポケットの中を弄っている。
「えっと……」
「……?」
「剥き出しでごめんね。でも、手作りだからケースとかよく分かんなくて……」
やがてポケットの中から出された拳を、ゆきおがゆっくりと開いた。
「これを」
開いたゆきおの手の平の中にあったもの。それは、銀色の指輪だった。ちょっと細身の銀色の指輪が2つ繋がったような、そんな不思議な形をしている、二連の指輪だった。
「へ……?」
「……」
「指輪?」
「うん」
胸がドキッとした。心地いい鼓動が一回だけ身体を駆け巡り、私の目に涙が溜まっていく。ゆきおが、私の左手を取った。抵抗せず、素直にそれに従う。
「ぼくは、涼風がずっと好きだった」
私も好きです。
「誰よりも何よりも、世界で一番、涼風が好きだった」
私も、世界で一番、あなたが大好きです。
「ぼくを初めて大海原に連れ出してくれたあの時、ぼくには涼風が眩しく見えた」
「あたいも……ゆきおを初めて見た時からずっと、ゆきおを見る度ワクワクしてた」
「涼風は、ぼくに艤装を装備させて海に立たせてくれて……ぼくの手を引っ張ってくれて、ぼくに勇気をくれた」
「ゆ
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