最終章:夢を追い続けて
第56話「意味を遺したい」
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して敢えて殺さずにいるって事は、何かしら利用するつもりなんだな?」
「おーおー、さすがは世界最強サマの弟だ。そこまでわかるとは....なっ!」
「ぐっ...!?」
感心したように男は言い、そのまま一夏を銃で小突くように殴る。
「お前はいいよなぁ〜?世界最強が身内にいるんだ。さぞ勝ち組な人生を送っていたんだろう?なぁ?」
「くっ...っつ....。」
痛さに耐えつつ、一夏は起き上がる。
今まで自分がやってきた非道な事に比べればどうって事ないと言い聞かせながら。
「(勝ち組...か。俺なんか、勝ち組どころか負け組ですらねぇよ。文字通り“無意味”だったんだからよ...。でもまぁ、打ちのめされた意味では負け組ではあるか...。)」
自虐しながらも、聞き出したい事のために会話を続けようとする。
「...お前らは...ISを恨んでいるのか?」
「はぁ?...あったり前だろうが!何が女性しか乗れないだ!それのせいで俺達がどれだけ虐げられたと思っている!」
「ぐっ...!?」
八つ当たりのように一夏を殴りながら、男は言う。
理不尽に殴られる一夏は、それでも決して反発しようとはしない。
...なにせ、そんな事になったのは、自分が原因でもあるからだ。
「てめぇらも何被害者ぶってやがる!これは因果応報だ!てめぇらが散々俺達を好き勝手してきたからこうなっているんだ!」
「っ.....。」
“自分のせいだ”と一夏は思った。
自分の欲望を満たしたいがために人を洗脳したから...。
束に未完成のままISを発表するように仕向けたからこうなった。
そんな後悔が一夏の中を渦巻く。
「(...くそっ。何か、出来ないか...?)」
償いなんて、とてもじゃないけど成し遂げられない。
そう思った一夏は、せめてもの手助けが出来ないか探る。
すると、その時...。
「くそっ!」
「どうした?」
一人の男が通信機を地面に叩きつけながら悪態をついた。
「既に半分以上やられた。」
「なっ!?...くそが...忌々しいISめ...!」
「(IS...?あいつらの誰かか?)」
その声を聞いて、一夏は何か隙ができるかもしれないと考える。
「いや、それだけじゃない。表の方に向かう途中で通信が途切れた奴もいる。」
「は?...そうか、織斑千冬...!」
「他にも何人か逃げ回っている奴らがいるようだ。くそ、大人しく捕まればいいってものを...!」
仲間が半数以上やられた事に、男たちにも動揺が走る。
だが、それは決してチャンスではなかった。むしろ...。
「...しゃあねぇ。何人か殺して、放送で知らせ
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