最終章:夢を追い続けて
第56話「意味を遺したい」
[4/9]
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
...。)」
アミタ、キリエ、ダリル、虚がそれぞれ同じような事を考える。
そしてまた、一夏も同じように考えており...。
「(...交渉するなら、俺から...か。まるで無意味だった俺が、こんな所で...。)」
女性だとちょっとした事で刺激を与えかねない。
だからこそ一夏だけが目的などを聞き出せる立場だった。
しかし、こんな所で大役を担わせられる事に、一夏は震える。
以前までなら、嬉々として請け負っていただろうが、今までの自分がまるで無意味だと知った今では、その役を上手くこなせる自信など皆無だったからだ。
「(そんな大役こなせるかよ...!目的だけを聞くならともかく、こんな奴らを相手に、俺がそんな事を...!)」
今までの事件は、調子に乗っていたのと、“原作”に沿っていたからこそ前線に出ようと思っていた。しかし、今はそのどちらにも当て嵌まらない状況な上、先程の事で男たちも気が立っていると思った一夏は、一歩踏み出せずにいた。
「(....でも、だからと言ってこのまま待ち続ける訳にも....。)」
ふと周りを見れば、皆怯えたように俯いている。
それを見て、一夏は思う。“自分はあまりにも無力なのだ”と。
「(....いいのかよ。そんな、“無意味”なままだなんて...。)」
落ち込むと同時に、一夏はそんな問いを自身にかける。
「(何もできないまま終わるなんて...二度目の人生を得ておきながら、何も変わっちゃいない....。...それだけは、嫌だ。)」
自分勝手な行動ばかり取り、人に迷惑を掛けてきた。
それは前世も今世も変わらない。
だからこそ、少しでも贖罪をしようと、一夏は覚悟を決めた。
「....一つ。」
「...あん?」
意を決して、一夏は一番近くの男に声を掛ける。
「...一つ聞きたい。...あんたら、どうしてこんな事を?」
慎重に、刺激を与えないように、普通聞くであろう言葉を選んで問う。
「はっ、男であるてめぇが聞くのかよ。考えればわかる事だろうが。」
「......。」
一夏の問いに、男は鼻で笑いながらそう返した。
その返答から、一夏は推測し、一つの答えに行き着く。
「....“復讐”...か。」
「ああそうさ!世界最強サマの庇護下にいたお前にはわからん事だろうがなぁ!」
「.....。」
その言葉に、一夏は言い返せない。
まさにその通りだったからだ。千冬の影響があったから、一夏は普通に過ごせていた。
“ぬくぬくと育っていた”...まさにこの言葉が当て嵌まっていたのだ。
「ISが使えなくなった今、IS学園の戦力はあまりない。そこに付け込んで襲撃か...。こう
[8]前話 [1]次 [9]前 最後 最初 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ