暁 〜小説投稿サイト〜
IS〜夢を追い求める者〜
最終章:夢を追い続けて
第56話「意味を遺したい」
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...。)」

 アミタ、キリエ、ダリル、虚がそれぞれ同じような事を考える。
 そしてまた、一夏も同じように考えており...。

「(...交渉するなら、俺から...か。まるで無意味だった俺が、こんな所で...。)」

 女性だとちょっとした事で刺激を与えかねない。
 だからこそ一夏だけが目的などを聞き出せる立場だった。
 しかし、こんな所で大役を担わせられる事に、一夏は震える。
 以前までなら、嬉々として請け負っていただろうが、今までの自分がまるで無意味だと知った今では、その役を上手くこなせる自信など皆無だったからだ。

「(そんな大役こなせるかよ...!目的だけを聞くならともかく、こんな奴らを相手に、俺がそんな事を...!)」

 今までの事件は、調子に乗っていたのと、“原作”に沿っていたからこそ前線に出ようと思っていた。しかし、今はそのどちらにも当て嵌まらない状況な上、先程の事で男たちも気が立っていると思った一夏は、一歩踏み出せずにいた。

「(....でも、だからと言ってこのまま待ち続ける訳にも....。)」

 ふと周りを見れば、皆怯えたように俯いている。
 それを見て、一夏は思う。“自分はあまりにも無力なのだ”と。

「(....いいのかよ。そんな、“無意味”なままだなんて...。)」

 落ち込むと同時に、一夏はそんな問いを自身にかける。

「(何もできないまま終わるなんて...二度目の人生を得ておきながら、何も変わっちゃいない....。...それだけは、嫌だ。)」

 自分勝手な行動ばかり取り、人に迷惑を掛けてきた。
 それは前世も今世も変わらない。
 だからこそ、少しでも贖罪をしようと、一夏は覚悟を決めた。

「....一つ。」

「...あん?」

 意を決して、一夏は一番近くの男に声を掛ける。

「...一つ聞きたい。...あんたら、どうしてこんな事を?」

 慎重に、刺激を与えないように、普通聞くであろう言葉を選んで問う。

「はっ、男であるてめぇが聞くのかよ。考えればわかる事だろうが。」

「......。」

 一夏の問いに、男は鼻で笑いながらそう返した。
 その返答から、一夏は推測し、一つの答えに行き着く。

「....“復讐”...か。」

「ああそうさ!世界最強サマの庇護下にいたお前にはわからん事だろうがなぁ!」

「.....。」

 その言葉に、一夏は言い返せない。
 まさにその通りだったからだ。千冬の影響があったから、一夏は普通に過ごせていた。
 “ぬくぬくと育っていた”...まさにこの言葉が当て嵌まっていたのだ。

「ISが使えなくなった今、IS学園の戦力はあまりない。そこに付け込んで襲撃か...。こう
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