平穏
[4/4]
[8]前話 [9]前 最初
「えへへ……」
「よし、これで、用事は済んだねー。帰ろっか。」
「うん。」
ショッピングモールを出て、帰り道。ぽかぽかした日差しと、ちょっぴり冷たい風が心地良い日だ。
「春らしくていいねー」
「うん、花が綺麗。」
ふと、上を見上げると、ぽこぽこと薄いピンク色の可愛らしい蕾が木に付いていた。
「あれは……」
「桜だよ。」
「桜……」
知識はある。春に咲く花、しばしば命と例えられる花、散り様が美しい花……
けれど、見た思い出はない。ない、というか、おそらく覚えていないのだろう。
「ここの桜、咲くととっっても綺麗なんだ!ハルちゃんとお花見したいな〜!」
「お花見?」
「うん!お弁当とかお菓子とかたくさん持って、桜の木の下で遊んだりするの!」
「楽しそうだね。」
「すっごい楽しいよー!」
お花見。とっても楽しそうだ。そんな幸せが、これから先、たくさん待っているんだ。
まだ綻んでいない蕾の中に、一輪だけ開いた花を見つけた。
[8]前話 [9]前 最初
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2025 肥前のポチ