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平穏
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袖を通した。

「わぁ……」

????背後の鏡を見ると、自分が自分で無いような気がした。

「おーい、ハルちゃーん。着替え終わった?」
「う、うん……」

???カーテンが遠慮会釈なく開けられる。と……

「うっわぁああああ!!!!可愛いよー!!!!」
「お、お姉ちゃん、声が大きいよ……」

????何人か、変な目でこっちを見ている。いたたまれない……

「でも、ほんとに可愛いよー!ハルちゃん、これ気に入った?」
「ま、まあ……でも……」

????多分高い、という言葉は、お姉ちゃんの歓声にかき消されてしまった。

「これにしよ!!1着目はこれ!」

????よいしょー!と脱がされて、レジの方に持っていかれてしまう。私は慌てて「さかな」Tシャツを着ると、お姉ちゃんを追った。

「これください!」
「二万七千円です。」
「……」

???遅かったか。お姉ちゃんがコチコチになっている……ように見えたけど……

「お願いします」

????何のてらいもなく福沢諭吉を3人叩きつけた。

「ええ……」

????お姉ちゃんが、こちらにウインクした。


「いやぁ、黙っててごめんね。ハルちゃんのことは、何人かの人が知ってるんだよ。だから、今後の支援金を幾らか貰ってたんだー」
「そ、そうなんだ……」
「あ、大丈夫だよ!その人たちは、みんないい人だから!」

????その服屋さんから離れて、クレープのお店の前。一番人気のバナナストロベリーチョコクリームのクレープを食べながら、私達はおやつ休憩を取っていた。

「次はどこにいくの?」
「んー、もうちょっとお洋服みよっか。動きやすいのとかいるでしょ?」
「そうだね……」

????お姉ちゃんが、クレープの最後の一口を放り込む。もたもたしていられないと思って、私もクレープにかぶりつく。

「ぷは、ごちそうさまでした。」
「あはは、ハルちゃんったら、ほっぺたと口に付いてるよー」
「へ、あ……」

???お姉ちゃんが、ナプキンでぬぐってくれる。照れくさくなって、顔が赤くなる。

「はい、綺麗になったよー」
「あ、ありがとう……」
「どういたしまして。さ、行こっか。」

????お姉ちゃんに手を引かれて、今度は違うお店に向かう。スポーティーで、カッコイイ洋服が沢山ある。

「あ……」

????その中で、私の目を引いたものがある。黒の短パンに、黒のパーカー。そして、「ぴらにあ」という文字の下に、水槽の苔を齧るピラニアの絵……

「お姉ちゃん」
「え?」
「これがいい。」
「ええ!?」

????何で、と言いつつも、お姉ちゃんはその洋服一式を買ってくれた。

「好きだね、こういうの……」?
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