ペルソナ3
1801話
[1/5]
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
「うーん、やっぱりまだ行楽用の品はあまりないわね」
巌戸台の端の方にある、いわゆるホームセンターに俺とゆかりの姿はあった。
……ゾンビ映画の世界に巻き込まれた時はここにやってくれば間違いないと言われてるだけあって、かなり広めのホームセンターには武器として使えそうなチェーンソーやら草刈り機やら、金槌やら釘撃ち機やら、斧やら鉄パイプやら……それはもう、様々な物が売っていた。
だが、今回俺達の用件があるのは、ゾンビや……タルタロスを倒すのに使えそうな道具の類ではなく、レジャーシートとかそういうのだ。
ホームセンターは、午前9時に開いたばかりでまだ客の姿はない。
いや、駐車場には何台か車があったし、客はいるのだろうが……これだけの広さのホームセンターでは、数人の客がいても分かる筈もなかった。
そんな具合で客の姿も殆どない中で、俺とゆかりはこれから花見に行くのに必要なレジャーシートの類を探していた。
幸いにもと言うべきか、今日はとてもではないが冬とは思えないような青空だ。
空には雲1つ浮かんでいない。
……空が高いって表現は夏の青空とかを見て使われるものなんだが、まさか冬に使えるとは思ってなかったな。
それに、もう2月も終わりに近く、3月も……春も近いという事で、外の気温はそれなりに暖かい。
まさに花見には絶好の日だと言えるだろう。……あくまでも、この季節に花見をするのであれば、だが。
そんな訳でレジャーシートを買いに来たのだが、当然ながらまだ4月とか5月という訳でもないので、行楽用品の類は殆ど棚に存在していない。
それでも若干ではあってもきちんと用意されているのは、さすがといったところだろう。
冬にレジャーシートとか、何に使うのかは分からないが。
取りあえず置いておいたといたところか?
……まさか、俺達みたいに花見に行く者がいるとは……ないな。
取りあえず小さめの、4人用くらいのレジャーシートを選ぶ……のはいいんだが。
「何でピンク?」
ゆかりが持っているレジャーシートを見ながら、呟く。
そう、ゆかりが手に持っているのは、ピンクを主体にしたレジャーシート。
模様とかもあるが、それでもやっぱりピンクというのが見た目に強い第一印象を与える。
ゆかりの私服もピンクが使われているのを見ると、基本的にピンクが好きなんだろうな。
……何だかふと、ピンクのゆかりとかいう言葉を思い浮かべたが、どこの風俗の女だってイメージがないか?
「何よ? 何か文句あるの?」
俺の視線に何を感じたのか、ゆかりは不服そうな視線をこちらに向けてきた。
ピンクのゆかりについて何かを考えた訳ではなかったらしいので、その辺りはともかくとして……
「いや、ちょっと派手じゃないかと思って
[8]前話 [1]次 最後 [2]次話
※小説と話の評価する場合はログインしてください。
[5]違反報告を行う
[6]しおりを挿む
[7]小説案内ページ
[0]目次に戻る
TOPに戻る
暁 〜小説投稿サイト〜
利用規約/プライバシーポリシー
利用マニュアル/ヘルプ/ガイドライン
お問い合わせ
2024 肥前のポチ