ペルソナ3
1801話
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いや、それ以上に安堵の表情を浮かべていた。
そうして鳥海の注意が既に俺達の方に向けられていないのを理解すると、慌てたように俺を引っ張って他の場所に向かう。
もっとも、既に鳥海は友人達と一緒に花見……というか宴会に戻っているので、こっちを気にしている様子はないが。
ただ、鳥海と一緒にいる男の何人かが、ゆかりの方を見ていた。
……まぁ、その気持ちは分からないでもない。
月光館学園でも、かなり人気があるらしいし。
「行こ」
そんな視線を感じ取った訳ではないだろうが、ゆかりは俺を引っ張って鳥海達から離れていく。
もっとも、咲いている桜の木は1本だ。
その周囲に何人かがシートを敷いて花見を楽しんでいる者がいるので、最終的には鳥海達からそれ程離れていない場所で俺達も花見をする事になった。
「まさか、学校の教師がいるとは思わなかったな」
「そうね。でも、鳥海先生で良かったんじゃない? うちの学校、色々と特殊な先生とか多いから。そういう意味だと、放任主義……というのはちょっと言いすぎかもしれないけど、鳥海先生はあまりうるさい事を言わないし」
「まぁ、そうだな」
実際、こうして俺とゆかりが花見に来たのを見ても、特に何か注意するような事を言ったりはしなかった。
ただ、俺の事を多少ではあっても気にしたようだが……その辺は、鳥海の教師としての考えからだろう。
それで俺の事を追求しなかったというのは、俺を怪しくない人物だと認めたのか。
うん、見る目があるな。
……荒垣辺りにこの話をすれば、それこそ見る目がないと言われそうな気がするので黙っているが。
ともあれ、今は花見の準備をする必要があるか。
ゆかりの指示に従い、ピンクがメイン色のレジャーシートを地面に敷く。
当然ながら、そんな色のレジャーシートを使っている者の姿はなく、周囲にいる者達の視線を集める事になる。
だが、ゆかりはそんな視線を気にしてはいないのか、俺が持っている空のバッグを見て、食べ物や飲み物を出すように視線で要求してきた。
鳥海達と違って、俺とゆかりの場合は普通に店で買ってきた食べ物だ。
正直なところ、ああいう風に花見ですき焼きを食べるというのは、かなり羨ましいんだが。
まぁ、すき焼きは今度荒垣とゆかりを誘ってどこかに食いに行くとしよう。
そんな風に考えながら、バッグの中に手を入れ、空間倉庫の中から取り出すところを周囲に見せないようにしながら各種料理を取りだしていく。
もっとも、コンビニとか弁当屋とかで買ってきた料理や総菜の類なのだが。
後はお茶やジュースといった飲み物を用意する。
「いっそ荒垣も連れてくれば良かったな」
「荒垣さん、まだ寝てるんじゃないかしら」
荒垣は一見すれば不良に見える
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