ペルソナ3
1801話
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な」
「そう? 可愛いと思うけど……駄目?」
小首を傾げて尋ねてくるゆかり。
そんなゆかりの様子に、結局俺としては特にシートに拘りがある訳ではなかったので、頷くしかなかった。
いやまぁ、俺だけでピンクのレジャーシートを使うのは色々と悪目立ちするだろうが、ゆかりが一緒なら特に問題ないだろうし。
そうして、ホームセンターでレジャーシートを買ってから、後は適当に弁当やお菓子、飲み物といった物を店で買い揃え……やがて、昼前には俺とゆかりの姿はこの前TVでやっていた桜の前にあった。
何だかんだかと、こういうのって買い揃えるというのが面白いのかもしれないな。
そんな風に思った俺は、決して特別という訳ではないだろう。
「うわぁ……何だかんだで、結構人が来てるわね。てっきり花見に来るのは私達だけかと思ったんだけど。……この寒い中、こんなに人が集まるとは思わなかったわ」
しみじみと、周囲の様子を眺めながらゆかりが呟く。
実際、周囲にはそれなりに大勢の者達が、真冬――もうすぐ3月だが――に咲く桜を見る為に集まっていた。
もっともまだ寒いからか、俺達みたいにレジャーシートを用意してしっかり花見の体勢に入っている者は……皆無という訳ではないが、かなり少ない。
この辺り、何だかんだと花見を好きな者が多いという事だろう。
「じゃあ、早速場所を決めて食べるか?」
「もう? まぁ、お昼近いんだけど」
普通なら前日に用意するレジャーシートとかの買い物を今日やって、それから弁当とかそういうのも今日買ってきたのだから、当然のように時間はそれなりに経っている。
まだ昼というにはちょっと早いが、それでも早めの昼食と考えればそんなにおかしな話ではないだろう。
「で、どこにシートを敷く?」
「うーん、そうね……え?」
桜の木の周囲を見ていたゆかりは、ふととある一点でその動きを止める。
何だ? と疑問に思ってゆかりの視線を追うと、その先にいたのは数人の大人だった。
もっとも、大人といっても大体20代くらいの連中であって、大人バージョンの俺と大体同年代か、ちょっと上くらいの集まりだと言ってもいいだろう。
こうして見た感じ、全員が同じ年代の集まりだという事は、職場の集まりという訳ではなく友人同士の集まりといったところか。
シートの上でガスコンロを使ってすき焼きを食べている。
……花見ですき焼きってのも、ちょっといいかもしれないな。
ともあれ、あの連中はゆかりの知り合いか何かか?
そんな疑問を抱いていると、そんな視線を感じたのかすき焼きを食べながらビールを飲んでいた女が、ふと視線を上げる。
そしてゆかりと視線が合い……その動きが固まる。
それでも十秒も経たない内に我に返ると、その女の
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