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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十四話 誓いをここに
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あ……あうあう」」

「……ん?」

 心の中で満足している俺は、気づくと胸の中の熱量が上がっていることに疑問を抱く。

 バリアジャケット越しに伝わる熱は、ちょっと体温の度を越しているのでは?

「二人共、どうした?」

 力を緩め、二人の顔を覗くと、そこには茹で上がったタコのように顔を真っ赤にして呆然とした柚那とフェイトがいた。

「「あ……あう」」

 二人は言葉にならない返事をし、俺の顔に視線が会うたびに顔を赤くし、ぼふっと白い煙を立てた。

「え……っと、だ、大丈夫か?」

「「あ、あうあう」」

 赤ちゃんみたいな言葉(?)を発しながらコクコクと頷いている。

 い、一体二人に何が……?

「もぉ〜黒鐘君!」

「黒鐘、やりすぎ」

 沸騰した二人と混乱する俺を見かねたのか、なのはと雪鳴が呆れ顔で俺の前に立つ。

「やりすぎって?」

「え、本当にわからないの!?」

 むしろなんでわからないのと言わんばかりに驚き顔で俺を見つめるなのは。

 それに対し雪鳴は悟り顔で頷きながら、

「黒鐘のそう言う鈍い所、五年前からさらに磨きがかかってたみたい」

「に、鈍い所……」

 そんな所があるというのか!?

 俺は五年前より強くなった自信がある。

 気配を察知する能力も、場の空気を読む力も身につけたつもりだ。

 それなのに……まだ鈍いというのかぁ!?

「「はぁ……」」

 なのはと雪鳴の同時ため息の理由が分からないのが、俺が鈍い証拠となった気がする。

「くぅ……修練が足りないのか!?」

「そういうことじゃないよ」・「そういうことじゃないわ」

「……」

 どうしろって言うんだ……。

「それよりも」

 雪鳴はゆっくりと俺の右隣に移動し、ピトッとくっつく。

 それに倣ってなのはも左隣に移動してくっついてきた。

「さっきの言葉、ちょっとずるいなぁ〜」

「な、何が?」

「さっきの言葉、私達にも言って」

「じゃないとずるいよぉ!」

「えっとぉ……」

 二人は上目遣いで甘えるように身体を擦り寄せてくる。

 ずるいと言われてしまったら、二人にも言わないといけない……よな?

「分かった。 ……なのは、雪鳴」

「はい」・「ん」

「俺は、俺の一生全てを二人の幸せに捧げる」

「えへへ」・「ん……ふふっ」

 心を込めて誓いの言葉を伝えると、二人は柚那とフェイトほどではないもの、どうように顔を真っ赤にして頬を溶けたように緩めて俺の身体に体重を預けてくる。

 そして懐いた小動物のようにこちらの腕に頬を擦りつけて甘えてくる。

 なんか、可愛い。


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