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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十四話 誓いをここに
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ったな」
「ええ。 ホントに残念」
そう言いながらも、その表情は笑みのままだ。
お互いに冗談を交わしながら会話を終えて、柚那の方を見て俺の表情は強ばった。
「むっす〜!!」
「……」
そこには空中で両手を組み、両足を広げて鬼の形相の柚那がいらっしゃった。
眉は深いシワを作り、頬をぷっくりと膨らませて顔を少し赤くしていた。
ここで頭頂に二本のツノでも生えてれば本物の鬼だっただろう、なんてことは口が裂けても言えない。
「今、私の頭の上にツノがあったら鬼みたいって思ったでしょう」
「い、いいえ!! これっぽっちも考えておりません!!」
恐怖のあまり声が上擦ってしまう。
口が裂けても言えないことを口を裂かずに読み取られてしまう、そんなことがこんなにも恐ろしいことだとは思わなかった。
バリアジャケットの下は、柚那の攻撃を防げなかった証拠として脂汗が濁流のように流れ出ていた。
「ふぅ〜〜〜〜〜ん???」
「えっと……その」
限界まで開いた柚那の眼は俺を心ごと見つめているかのようで、これ以上何を考えているか見られるのは非常に……そう、非常にまずいので勇気を振り絞って質問する。
「な、なんでそんなに怒ってるんですか……?」
いつの間にか敬語が当たり前のようになってしまった俺は、今更そんなことを気にすることもできず、柚那の回答を姿勢を正して待つ。
軍隊ならば百点満点の直立だと自負する姿勢で待機していると、柚那は俯き、ゆっくりと言葉を紡ぎだした。
「……大怪我だって聞きました」
空気が変わって、柚那の声音は弱々しいものに変わった。
前髪が俯く彼女の顔を覆い、その表情は捉えられない。
けれどその空気の変化を感じとれた俺は、いつもの口調で優しく問いかけることができた。
「俺の身体のこと、誰かから聞いたのか?」
その問いに、無言で頷いた。
「そっか」
元々、柚那と雪鳴には、俺が地球で生活することになった理由を話していた。
働き過ぎで学生として過ごしていなかったからそうすることになった……そう話していた。
それは決して嘘じゃない。
ただ、話していないこともあった。
それが俺の身体のことだった。
俺自身、自覚しきれていない部分もあるけど、倒れる前の俺の身体はボロボロだったらしい。
そりゃ五年も大した休暇もとらず仕事に明け暮れていればそうなるのは当たり前だ。
去年から何度も長期休暇の話しは出ていて、だけど今の仕事が終わってからと言って先延ばしにしていた。
何とか終わって……というか、周りのみんなが俺の仕事を奪って強制的に長期休暇を取得し
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