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魔法少女リリカルなのは 〜最強のお人好しと黒き羽〜
第三十四話 誓いをここに
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「黒……鐘……っ」
「黒鐘君っ!?」
なのはとフェイトが俺の名前を呼んで驚いている。
そりゃそうだ。
なのはにとって俺は病室で寝てなきゃいけない人だし、フェイトはまさか俺がこのタイミングで現れるとは思わなかっただろう。
俺だって戦場に出るつもりはなかった。
病室で食事を摂りながら、みんなの戦いを傍観することしかできないもどかしさを耐え忍んでいた。
けど、聞こえてしまった。
――――助けて。
それを聞いてしまったら最後、俺は止まることができなかった。
自分を抑えられず、アマネを握り締めて、腕に付いた点滴やらなんやらを外して病室を飛び出した。
目覚めた直後とは反対に、不思議と身体は軽かった。
いつもより軽い身体と、いつもよりハッキリと考えることのできる思考。
暴走したのは心だけで、それ以外はここ数年の中でベストコンディションだった。
だから制止してくる皆のことを無視して転送ポータルに乗り、俺はこの場に向かった。
理由は違えど二人にとって……いや、誰も彼もにとって俺の登場は予想外だった――――たった一人を除いては。
「オラァッ!!」
「ふっ!」
背後から迫る、隠す気の一切ない強烈な殺気と豪快な斬撃音。
誰の攻撃かを考えるまでもなく、そして不意打ちに慌てることもなく、俺は振り向き様に抜刀して迎え撃つ。
横薙ぎに振るった剣戟は狙っていた通りに衝突し、激しい火花を散らし、俺たちは久しぶりの再会をする。
「イル・スフォルトゥーナか?」
なのはたちの戦闘に一切参加せず、妨害もしないからてっきりいなくなっていたと思っていたが、どうやら俺の登場を待っていたらしい。
どの状況で俺が来ると思ったのかは分からない。
だけど、待ち構えていたとなれば相手をしないわけにはいかない。
「おいおい、俺のことを忘れてたのかぁ?」
残念そうな言葉と裏腹に、その表情は狂いながらも喜びに染まっていた。
俺との再会がそれほどまでに嬉しかったのだろうか?
……考えるのはここまでにしよう。
「俺はオメェのことを忘れたこたァねぇぜ? ずっとだ……ずっと、オメェを殺したくてしょうがなかったんだぁ!」
音量を上がりながら、鍔迫り合いに力を込めて押し込もうとしてくる。
俺は無理に力を入れず、むしろ脱力のタイミングを伺う。
鍔迫り合いは力の入れすぎによって前にしか勢いが向かなくなると、相手が後ろに下がった時に体勢を崩してしまって大きな隙となる。
逆に抜きすぎれば押された力によって体勢を崩されて大きな隙なる。
全ては力の入れ加減とタイミング。
それを制する
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