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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
671部分:第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその十

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第五十二話 パヤパヤ、噛まれるのことその十

「この美以に渡すと言わせるにゃ」
「孟獲さんにですか」
「そうにゃ。それならいいにゃ」
 これが孟獲の言葉だった。
「それなら渡してやらないこともないにゃ」
「ううん、ですか」
「しかし姉者」
「ここはなのだ」
 義妹二人が困った顔の劉備に言ってきた。
「どうにかするしかあるまい」
「剣をなおしたいのだ?」
「はい、どうしても」
 ここでは自分の意を出す劉備であった。困りながらもしっかりとした声である。
「ここまできましたし」
「それにヘソのゴマなぞ」
「どう見ても簡単に手に入るのだ」
 二人もこう考えていた。
「それ程吝嗇になることもあるまい」
「孟獲もおかしなことを言うのだ」
「そうですね。孟獲さんは意固地になっておられますね」
「あの象さんを大切に思うあまり」
 軍師二人もそう見ているのだった。
「ですからここは」
「別におヘソのゴマ位いいと思います」
「それでどうされますか?」
「ここは」
「やっぱり同じです」
 こう答える劉備だった。
「剣を何とかしたいです」
「よし、それじゃあな」
「やるとするか」
 馬超と趙雲は早速槍を構えた。
「命を取るわけじゃないからな」
「少しだけ我慢をしてもらおうか」
「いえ、それはちょっと」
「下策だな」
 しかしそれは黄忠と厳顔が止めたのであった。
 二人はだ。馬超と趙雲を窘めるようにしてだ。こう話すのだった。
「力で手に入れてもあの娘達の反感を買うだけよ」
「それではあまり得策とは言えん」
「それはそうだけれどさ」
「今回は仕方あるまい」
 だが二人はこう返す。いささか釈然としない顔ではあるがだ。
「やっぱりここはな」
「この腕でだ」
「いえ、やっぱりそれはです」
「止めた方がいいです」
 孔明と鳳統もそれは止めた。
「孟獲さんは今の私達と戦うつもりはありません」
「それなら。こちらもそうしたことは」
「それじゃあどうするの?」
「そうだな。何もしないではどうにもならないぞ」
 馬岱と魏延がこう軍師二人に問う。
「喧嘩は駄目で話し合いもできないし」
「それならどうするのだ」
「はい、ここはです」
「私達に任せて下さい」
 軍師二人はだ。こう皆に述べるのだった。
「少し考えがありますから」
「ですから」
「考え」
「それは何なのだ?」
 関羽と張飛が彼女達に問う。
「策があるようだが」
「一体どうするのだ?」
「はい、まずはです」
「孟獲さんのところに行かせて下さい」
 こう言う二人だった。

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