箱庭のリバティ
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彼の存在を安定化させた。……尤も、モンディアル夫妻の性質を鑑みて、会わせれば結局こうなると読んだのだが、これはこれで皮肉な話だ。純粋な負の感情こそが、ヒトをイモータルへと変える……しかしその負の感情が彼をヒトとして構築した。流石に今はイモータルになるほどの領域には至っていないようだが、なんにせよ次元世界における新たな暗黒少年の在り方だろう……」
「……」
―――この時、僕は悪魔の契約を交わしたのだろう。だけどそれに後悔はない。この人ならざる存在は僕の同類を大量に利用し、命を奪った……それどころか、僕自身も利用されている。そう、彼にとって僕はただの駒、人形に過ぎない。
……でも、それでいい。この人の気紛れが無ければ、今の僕は存在すら出来なかったのだから。僕の扱いが人形だろうと何だろうと関係ない、僕を必要としてくれるなら、僕は何だってやろう……。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「何だろう、これ」
私は砂浜の上にある鉄くずの残骸の山を前に、ボソッと吐露した。管理局技術部の人達は色々な機材を使って解析してるけど、私にはどうしてもただの粗大ごみにしか見えなかった……。
何でここにいるかというと、おにぎり一つの朝食を終えて地上本部に出向こうとした私の所にシスター・シャッハから通信が入り、どうも謎の漂流物がミッドの海岸に流れ着いていたようなのだが、解析が芳しくないので調査の協力を求めてきたのだ。別に断る理由も無いし、急ぎの用事も今の所無いので、快く彼女の要請に応じた私は海岸に流れ着いた鉄くずの残骸を目の当たりにし、まさに今困惑していた。
「あの〜他人事のように見てますけど、これには我々の想像以上の何かが秘められていますよ。まぁ一見、ただの残骸なのは否定できませんが、わずかに解析できた部分によると、これが作られた年代は古代ベルカ戦乱期……よりもっと昔の時代のようなんです」
「戦乱期よりも? それは確かに驚きだ。ロストロギアでもないのに、それが今の時代まで現存していただなんて、よっぽど高い技術が使われてたんだね」
「ですね。ただ、一つ気になる部分があるんです。……ここを見てください」
「これは……傷? しかも部分的に金属地が綺麗に残ってる……じゃあこれは最近一度使われたってこと?」
「はい。しかもこれは元々脱出ポッドだったようなので、要するにこれを使った誰かがミッドのどこかに潜んでいることになります」
技術部の報告を聞いて、私は得体のしれない何者かがミッドのどこかに隠れていると理解し、鳥肌が立った。脱出ポッドに誰が乗ってたのか見当がつかないが、もしそれが悪しき者ならば、もはや形骸化しているものの秩序を守る管理局員として捕まえるしかない。
「……ん?」
新たな脅威に対
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