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リリなのinボクらの太陽サーガ
箱庭のリバティ
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アルを、彼を連れて来た研究員に扮していたデュマは虫けらを見るような目で離れた位置から見下ろす、。

「やれやれ……モンディアル夫妻の性質上、こうなるのは目に見えていたがな。……いつの時代でも、ヒトにとって最大の敵はイモータルでも銀河意思でもなくヒト自身……。こうやって自らで敵を生み出しておいて、その敵を消すことを正義だと信じ、それを為した者に名誉、栄光を与えて輝きを演出する。勝者の煌びやかな武勇譚が、敗者の痛みを隠してしまう。光に追いやられた闇こそが今の世界の歪みを構築した源であることに、誰も気づかない……」

「わぁああああああああああああッッッ!!!!!!!!!!!!!! ―――――――あっ」

バタッ。

モンディアル家の周囲一帯を文字通り壊し尽くし、慣れない力を全て使い切ってエリオは倒れた。未だ慟哭の涙を流し続ける彼の下へ向かったデュマは、イモータルらしからぬ優しい動作でエリオを抱え上げた。

「イヤ……だ……、イヤだよ……! 僕を……捨てないで……! 僕を……認めてよぉ……!」

「ならば問おう。お前はどの世界で生きたいと願う? 光の世界か、闇の世界か……存在を認めてほしい場所を選ぶがいい」

「僕は……ここじゃない場所で生きたい。僕をこんなに苦しめる奴らのいる世界なんて……存在自体許せない……! 光なんかより、闇の方が良い……!」

「光を選べば、天国の外側でお前はヒトらしい人生を歩み、相応の幸せも得られるぞ? それでも闇の世界が良いのか?」

「この世界は僕の全てを奪った……だから……奪われた全てを取り戻す……! 世界が僕を滅ぼそうとするのなら、道連れだ……!」

「そうか……光を拒み、闇の中で足掻くことを選んだか。ならばヘルの真似事とは言わないが、この俺がお前を使える程度には鍛えてやろう。せいぜい俺に捨てられないよう、必死に足掻くのだな」

「お前は……あなたは、僕を、拾って、くれる……の。ありが、とう……あなたのためなら、何でも、する……。だから……僕を、絶対に、捨てないで……」

その言葉を最後に完全に力尽きるエリオ。意識が途切れる直前に彼が見たのはデュマの瞳に映る、黒く染まった太陽だった。

「最高評議会の根を潰すついでに見つけた研究……エリオ・モンディアル、高町なのはに宿ったダークマターをクローンの胎児期に移植し、安定して強力なエナジー使いを生み出そうと企んだ研究の実験体。月光仔の血も引いていないただのヒトの身体で、強引にエターナルエースと暗黒の戦士を模倣した結果だが、リンカーコア以外にダークマターへの抵抗力が無い以上、当然ながら肉体的にも精神的にも不安定で、いつ死んでもおかしくなかった……。放置していれば勝手に死ぬかアンデッドになるはずだったものの、先程のやり取りで生まれた憎悪が、
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